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LEXUS
Equipment&Spec(レクサスGS450h写真・主要装備&仕様)
June.2006

LEXUS GS450h
(レクサスGS450h試乗インプレッション)


今回試乗した車は、レクサスGS450hである。450hとは、4500ccクラスのパワーに匹敵するハイブリッドカーを指すという。米国版ハリアーハイブリッドの呼称は400hだから、GS450hは、そのハリアーハイブリッドを凌駕する更に強力な大出力ハイブリッドカーということになる。
以下にレクサスGS450hとハリアーハイブリッドとのパワーユニット性能&仕様比較を参考に示す。

項目 A B A/B
レクサスGS450h
(2006年)
ハリアー
ハイブリッド
(2005年)
エンジン 型式 2GR-FSE 3MZ-FE -
種類 V型6気筒DOHC V型6気筒DOHC -
総排気量(cc) 3456 3310 1.04
最高出力(ネット) 
KW(PS)/r.p.m.
218(296)/6400 155(211)/5600 1.40
最大トルク(ネット)
N.m(Kg.m)/r.p.m.
368(37.5)/4800 288(29.4)/4400 1.28
メインモーター 型式 1KM 1JM -
種類 交流同期電動機 交流同期電動機 -
最高出力     
KW(PS)/r.p.m.
147(200)
/カタログ未記載
123(164)/4500 1.22
最大トルク     
N.m(Kg.m)/r.p.m.
275(28.0)
/
カタログ未記載
333(34.0)0〜1500 0.82
サブモーター 型式 - 2FM -
種類 - 交流同期電動機 -
最高出力     
KW(PS)/r.p.m.
- 50(68)/4610〜5120 -
最大トルク     
N.m(Kg.m)/r.p.m.
- 130(13.3)0〜610 -
*システム 最高出力KW(PS) 254(354)
200(272)
1.30
最大トルクN.m(Kg.m) カタログ未記載 カタログ未記載 -
動力用主電池 種類 ニッケル水素電池 ニッケル水素電池 -
パワーコントロール
ユニット
最大電圧(V) 650 650 1.0
車両重量(Kg) 1890
1950
(Lパッケージ)
0.97
*エンジンとモーター(バッテリーパワーに依存)によりシステムとして発揮できる出力(トヨタ算定値)
注)上記数値は、カタログ記載の公表値である。(A/B欄のみ計算値)


上表からハリアーハイブリッドとの特徴的な差異を以下に記す。1)〜5)


1)エンジンの最高出力及び最大トルクは、夫々1.40倍、1.28倍。
2)メインモーターの最高出力は、22%アップされたが最大トルクは、約18%低められていることから更なるモーターの小型化(高出力高回転化)が図られたことが窺える。
(小型化したモーターのトルクを高める為にGS450hでは2段変速式リダクション機構を設けている。)
3)サブモーターは、450hには装着されていない。
4)システムとして発揮できる出力は、1.3倍に高められている。
5)車両重量は、GS450hが60Kg軽い。



1.エクステリア
GS450hであることの主張は、さり気ない。リアのGS450hエンブレム、サイドプロテクションモール後方に小さくHYBRIDのロゴ、そして450h専用デザインのアルミホイール程度だ。
もう少し、主張したい向きにはボディーフロントサイドとリヤウィンドウ上部の2箇所にHYBRIDロゴステッカーがオプションで用意されている。また、450h専用色”プレミアムライトブルー”を選択するのも一考である。

2.インテリア
GS450hではスピードメーターの左側にあったタコメーターの代わりに、ハイブリッドのシステム作動状況(POWER、ECO,CHARGE)を示すハイブリッドシステムインジケーターが装着される。また、スピードメーター内には、エネルギーモニターが表示され、システムの動きを絵で把握することが出来る。こうしたモニター表示は、プリウスなどと同様にナビ画面にも大きく映し出される。

3.シート(本革)
GS430では「高級車として一歩抜きん出たシートという印象はなく」などと試乗屋の戯言を申し上げたが、個人的オーダーをいえば、レクサスだけの寛ぎを感じさせてくれる何かが欲しい。このシートになら車を動かさなくともずーと腰掛けていてもいいといったハートを擽る仕掛けを魅せて欲しい。レクサスは、日本が誇る最高級車ブランドと豪語するのであれば、外車を凌駕した魅力的なシートを提供して欲しいのだ。

4.変速機(自動無段変速機)
シームレス無ショックだ。驚くべきスムーズさ。2段変速式リダクション機構の変速タイミング、エンジンはどこで介入したなどということは全く知ることは出来ない。また、アクセルを深めに踏み込んだとしてもキックダウン時のショックなどという野暮ったいフィールは一切存在しないのだ。もちろん電子制御的ロジックにおいては変速プログラムは存在するのであろうが、変な言い方だが、もはや変速という行為そのものを感じたくても感じることは出来ないのである。
(上記は、モードセレクト;ノーマルモード、Dレンジ固定による。シーケンシャルシフト及びパワーモードによるフィールは未確認)

5.アクセルワーク

モーター先行でスタートし、エンジンはその時々の状況によって介入ポイントは異なるとのことだがゆっくりとアクセルを開けていった場合の一例をいえば、約30q/hに達するとエンジンに火が入る感じであった。加速フィールは、アクセルワークに忠実な極めて滑らかな加速が低速から高速まで意のままに引き出せるといった感じだ。もちろんアクセルワークに反して不用意に飛び出すような仕草は、一切ない。
今回高速試乗が叶ったので、法定速度+2αでのドライブフィールを以下に記す。
アクセルに軽い気持ちで加速の指令を込めさえすれば、瞬時にGS450hは極めてスムーズな加速体制に入り、狙った車の前へと車線変更が完了する。いやはや小生の邪悪な心が顔を出してしまったことを白状しておこう。GS450hにとって高速道を水澄ましのように駆け抜けることは、鼻歌交じりで可能だ。困ったものだ。

6.エンジン音
高速走行時にアクセルを深めに踏み込んでも、室内はいたって平穏なのである。室内に侵入してくる音は、これがエンジン音であるという認識を感じさせない。加速時には、モーター音とエンジン音が交じり合った加速音とでもいうべき、ちょっと表現する言葉が見つからない嫌味でない音が僅かに耳に届く程度である。
個人的には嫌いであったはずの静けさの中の加速感、ハリアーハイブリッドよりも更に滑らかでリニアな静けさの中の圧倒的な加速感、へそ曲がりの小生としては大いに悩ましい。

7.ステアフィール
まず一般道でのフィールだが、GS430よりも軽すぎず、しっとり感があって路面との対話感もそこそこあると感じた。車両重量が190Kg増加していることと無縁ではないかもしれない。
高速時のフィールだが、直進時に気を使うこともなく、長距離走行時における疲労感は少ないだろうと推測する。高速走行時にやや角速度を速めた車線変更を試みたが、不安感を抱かせるような動きは見られず、法定速度+2αの高速度?!であってもことさら神経を尖らせる必要はない。

8.ブレーキフィール
以前報告したGS430よりも格段にいいフィールだ。(GS450hの方が、回生ブレーキとの関係でバランスがとり難いと思われたのだが、明らかにGS450hの方がコントロール性が良い。高速時のブレーキングにも不満は感じなかった。もちろんパニックぎみのブレーキングは不明だが・・・。

9.乗り味
今回高速試乗の機会を得たので、その乗り味について報告する。
GS430の市街地走行では硬さをはっきりと意識させるものだっただけに、今回のGS450hの滑らかな高速走行時のフィールにはいい意味で戸惑った。高速道の繋ぎ目を通過する際のいなしもなかなかうまい。室内には何事もないような平穏さを感じさせるGS450hの足は、まさに”やすらぎ”を感じさせるものであった。欧州車とは一線を画すレクサスとしての独自の味付けを評価したい。
次にGS430で感じた市街地走行時の硬さを意識させられた乗り味だが、GS450hにおいても残念ながらその傾向にあった。但し、車両重量+190Kgのおかげか?GS430よりは突き上げ感はややマイルドに感じられた。しかしながら、高速走行時のフィールが”やすらぎ”を見事に演出していることからするとこの低速市街地走行時の乗り味は、さらに追求すべき課題を残していると思う。
AVS(減衰力制御サスペンション)及びNAVI・AI-AVS(ナビゲーションの道路コーナー情報に基づき減衰力を制御)の深化に期待したい。

10.コーナリングフィール

GS450hに標準装備されているGS430でも取り上げた”アクティブスタビライザーサスペンション”(コーナリング時のロールを抑えるスタビライザーを電動で制御するシステム)のフィールについて報告したい。高速走行を終えて料金所へと向うコーナーで、速度を故意に高めて走行してみたところ確かにロールを抑えて突っ張っていると感じさせるのだが、滑らかなフィール(例えばじわっとした粘りのフィールかな?)が感じられずにただ突っ張っているフィールは個人的には好きになれない。GS430のところで申し上げたタイトコーナーでの違和感のある挙動などなど課題が残されているように思う。

レクサスブランドに対するマーケットの反応(下表参照)
LEXUS販売台数推移(台数)〈06/1月〜5月〉
1月 2月 3月 4月 5月 累計
1904 1425 2314 2029 1936 9608
参考;自販連(ブランド別新車販売台数確報)
3/16に市場投入されたGS450hの効果は、3月をピークに下降ぎみだ。
昨年の8月〜12月までの累計10293台を結果として下回る厳しい状況だ。




FUGA450GT Sports packageとの主たる装備比較(下表参照)
注)標準装備品については、その車種名のパターン色と同色とした。
車種 FUGA 450GT Sports Package GS450h
車両本体価格
(消費税抜き)
\5,400,000 \6,476,190
走行性能 ○標準装備
リヤアクティブステア
○標準装備
減衰力制御サスペンション(AVS)
○標準装備
NAVI・AI-AVS
(NAVIの道路コーナー情報に基づく制御

○標準装備
アクティブスタビライザーサスペンション
○標準装備
245/40R19
○標準装備
245/40R18ランフラットタイヤ
操作性 ○標準装備
オートワイパー(雨滴感応式)
オプション;\30,000(消費税抜き)
ETCユニット
○標準装備
ETCユニット

視界 ○標準装備
リヤ電動サンシェード
○標準装備
サイドブラインドモニター
オプション;\12,700(消費税抜き)
チタンクリアドアミラー
○標準装備
レインクリアリングドアミラー
安全性能 セットオプション;\170,000(消費税抜き)
インテリジェントクルーズコントロール
(低速追従機能付)
前席緊急ブレーキ感応型
プリクラッシュシートベルト
&インテリジェントブレーキアシスト
セットオプション;\220,000(消費税抜き)
レーダークルーズコントロール
(ミリ波レーダー方式)
プリクラッシュセーフティシステム
プリクラッシュシートベルト
ドライバーアシストブレーキングコントロール(DABC)
○標準装備
VDC(ビークルダイナミクスコントロール)
○標準装備
VDIM(アクティブステアリング統合制御)
○標準装備
運転席・助手席ニーエアバック
○標準装備
ヒルスタートアシストコントロール
○標準装備
ISOFIX対応チャイルドシート固定専用バー
(トップテザーアンカー付/後左右席)
シート ○標準装備
本革、前席エアコンディショニングシート
(パーソナルドライビング・
ポジションメモリシステム)
オプション;\260,000(消費税抜き)
本革シート&トリム
(ポジションメモリー・ベンチレーション機能
・ヒーター付)
○標準装備
助手席パワーオットマン機構
ナビゲーション&
オーディオ
○標準装備
8インチワイド液晶モニター
○標準装備
7インチ高精細ディスプレイ
○標準装備
サウンドライブラリに2000曲の録音が可能
○標準装備
<AM,FM,6CDチェンジャーMD,TV>
○標準装備
<AM,FM,CD,MD,TV>

○標準装備
(スピーカー6個)
○標準装備
(スピーカー10個)
その他 オプション;\5,400(消費税抜き)
クリーンフィルター
(花粉、におい、アレルゲン対応タイプ)
○標準装備
クリーンフィルター
(花粉除去機能付)
上記オプション価格
合計額(消費税抜き)
\218,100 \480,000
上記オプション価格
合計額+車両本体価格
(消費税抜き)
\5,618,100 \6,956,190
車種 FUGA 450GT Sports Package GS450h
Note) 1.上記装備内容は、FUGA;06.6現在、GS450h;06/3現在におけるメーカー公表内容に基づく。
2.上表作成に当たっては、両車共に標準車をベースとしてまず比較し、お互いの装備の不足分をオプション装備で補うかたちとした。

1.GS450hの多種多様な電子制御システムに対して、現時点のフーガには対向するシステムが用意されていないこともあり対等な価格比較とはいえないのだが、それを無視すれば絶対値としてはフーガが130万強も安い。

2.GS450hの優位性のある装備としては、AVS(標準装備)、NAVI・AI-AVS(標準装備)、アクティブスタビライザーサスペンション(標準装備)、ランフラットタイヤ(標準装備)、オートワイパー(標準装備)、リヤ電動サンシェード(標準装備)、VDIM(標準装備)、運転席・助手席ニーエアバック(標準装備)、ヒルスタートアシストコントロール(標準装備)、ISOFIX対応チャイルドシート固定専用バー(標準装備)、HDDのサウンドライブラリに2000曲の録音が可能(標準装備)などが挙げられる。

3.リアクティブステア+19インチタイヤ(標準装備)、サイドブラインドモニター(標準装備)、助手席パワーオットマン機構(標準装備)、6連奏CDオートチェンジャー(標準装備)、8インチワイド液晶(標準装備)(GS450h:7インチ)などについては、FUGAが優位だ。

以下、FUGA450GT Sports packageと外観寸法、動力性能面、価格面及び燃費について比較した。(下表参照)

車種 外観寸法 動力性能面 価格面 燃費
(km/L)
全長 全幅 全高 A
重量/馬力
(Kg/PS)
B
重量/トルク
(Kg/Kg.m)
C
A×B
(Kg2/PS・Kg.m)
価格/リッター
(¥/L)
価格/馬力
(¥/PS)
LEXUS GS450h 4830 1820 1425 5.5 23.6
130 2,012,786 20,163 14.2
FUGA 450GT
Sports package
4900 1795 1510 5.4 38.7 209 1,250,134 16,871 8.1
NOTE)

1.表記の燃費値はLEXUS 450h;06/3時点、FUGA450GT Sports package;06/6時点のメーカー公表値
2.燃費値を除く表記の数値はLEXUS 450h;06/3時点(但し、動力性能面Bの算出については、NOTE5参照)、FUGA450GT Sports package;06/6時点のメーカー公表値を用いた計算値
3.価格面の計算に用いた車両価格は、装備を睨んだ上でオプション価格を夫々足しこんだ価格とした。
LEXUS GS450h;\6,956,190(消費税抜き)、FUGA450GT Sports package;\5,618,100(消費税抜き)>(上表参照
4.GS450hの動力性能面A;馬力当たり重量の算出に当たっては、システムとして発揮できる最高出力345PS(カタログ記載値)を用いた。
5.GS450hの動力性能面B;トルク当たり重量は、システムトルク値として推定値80Kg.m〈ハリアーハイブリッド825N.m;MotorMagazine Special Edition 05.5 P.6参照)を参考とした大雑把な類推値〉を用いた参考計算値である。

・動力性能面[上表C値(動力性能の一つの指標)]では、GS450hが大きくリード。価格面ではFUGA450GT、燃費においては、GS450hが優位である。(参考迄)

街の試乗屋のコメント(補足)
GS450hの魅力は、高速走行時における静けさの中での圧倒的な加速感とその時の車両の動きの滑らかさだ。加速時にはやや気合いが必要だったハリアーハイブリッドとは異なり、アクセルワークに対して気負うことなく軽々と加速していくGS450hは、エンジンカーをこよなく愛する者(含む小生)にとって、複雑な思いを抱かせる車であることは間違いない。
レクサス故の味わいをハイブリッド技術によって魅せてくれたGS450hには大いなる拍手を贈りたいが、更にレクサス固有の味をそこかしこに魅せるべく深化して欲しいと思うのである。(次に控える旗艦車種LSは圧倒的なインパクトの持ち主かもしれないが・・・!?)


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