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DAIHATSU |
Equipment&Spec(ダイハツ ムーヴカスタムRS VS スズキ ワゴンR RR装備&性能比較) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Nov.2006 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
DAIHATSU MOVECUSTOM IMPRESSION (ダイハツ ムーヴカスタム試乗インプレッション) |
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今回試乗した車は、ダイハツ ムーヴカスタムRS(2WD)である。 と言うわけで、今回の試乗車ムーヴカスタムは、カスタム仕様のなかでもトップグレードのRSである。車高は、15mmローダウン(1615mm←1630mm)、タイヤは165/50R16(他グレードは、14インチ)を履く。エンジンは、3気筒12バルブDOHCインタークーラーターボ(型式KF-DET)で最高出力;64PS/6000rpm、最大トルク;10.5Kg.m/3000rpmを発生する。ミッションは、CVTの伝達効率を高めた、ソニカに搭載済みのインプットリダクション方式のCVTである。 カスタムのグレードは、RS、R、XLimited、X、Lの5グレードで夫々2WDと4WDが用意されている。 ターボは、RSとRに設定、CVTは、RSとX Limitedのみで他のグレードは、4ATである。 燃料消費率(10.15モード走行)は、ターボなし+CVTの組み合わせとなるX Limitedがベストで23.0Km/L(カタログ値)を記録している。 ボディーカラーは、ニューカラーアストラルブラッククリスタルマイカ&パールホワイトVの2色を加えた9色で、購入者の嬉しい迷いを誘いそうな魅力的なカラーバリエーションが用意されている。 安全面については、軽初(06.10現在)の装備として”7エアバッグシステム”、”プリクラッシュセーフティシステム”、”車線逸脱警報機能”などがオプション設定され、価格は別にしてその取り組み姿勢を評価したい。 1.エクステリア ダイハツムーヴのエクステリアは、ムーヴとムーヴカスタムとでは同一のサイドビュー(これとて厳密には異なってくるが・・・)を除いてフロントバンパー、フロントマスク、ボンネット、ヘッドランプ、リアコンビネーションランプなどなど多くのパーツが夫々専用設計されている。ムーヴはソフト路線、ムーヴカスタムはハード路線という差別化をはっきりと打ち出しながらも夫々の車のエクステリアデザインは、非常にバランスよく纏められている。 サイドのプレスラインは、美しく正確に施されている感じだ。フロントからドアハンドルを貫きリアのCピラーへと走るプレスラインは、Cピラーからリアクォーターウインドウに沿って綺麗な弧を描いて競りあがる。プレス技術を駆使したデザインへの拘りが窺える。 ドア中央部に走るキャラクターラインは、微妙に大きな弧を描きながらリア後端まで続き、引き締まったサイドビューを演出している。フロントのオーバーフェンダー風のラインもまた美しくボディ全体に力強さと安定感を与えている。 試乗車ムーブカスタムRSのエクステリアは、カスタム仕様共通のハニカムグリル&リヤスポイラーに165/50R16タイヤ&アルミホイール(RS専用)、サイドストーンガード(R及びX Limitedにも装備)、15mm低められた車高(RS専用)などによって、なかなか精悍な印象を与えている。 見た目の品質感については、このムーブカスタムRSを見る限り、軽だからといってマイナスのイメージを描く時代は終焉を迎えたといっていい。もはやコンパクトカーを凌ぐといっても決して大袈裟ではないところまできていると感じたのである。 2.インテリア 着座と同時に目に飛び込んでくるインストルメントパネル周りの質感の高さには驚かされた。 各パーツ一つ一つの質感が高く、パーツ間の隙間は極力詰められ、緩さが感じられない。繊細なシボが施されたブラックを基調としたダッシュボードと仕上り具合に相当気を使っていると感じさせるシルバー色のセンタークラスターとの構成が、落ち着いた上品な空間を創り上げている。 デザイン上、斬新で面白いと思ったのが、”インパネ上部をアーチ状のブリッジで結び、そのブリッジ下中央に3連メーター(左からタコメーター、スピードメーター、フューエルメーター)を配し、その3連メーターの左右に開けられた空間から光を呼び込む”というものだ。こうした斬新なデザインをアイデア倒れすることなく具現化したところにダイハツの本気度を見ることが出来る。 もう一つの驚きは、なんといっても室内空間の広さである。室内長は、旧型ムーヴ(1920mm)よりも190mmも拡大され2110mm(4WD車;2060mm)(ワゴンR;1850mm)に、室内幅も40mm拡大し1350mm(ワゴンR;1295mm)とした。室内長の拡大は、ホイールベースを旧型(2390mm)に対して100mm延長+エンジンルームのコンパクト化により実現したという。室内長の広さは、実際に後席に座ってみれば誰しも前席との間のレッグスペースに驚嘆するはずだ。 限られた軽規格の制約の中で挑戦し実現させたダイハツの技術力は、素晴らしい。 3.シート フロントシートは、ベンチシートのみの設定でライフのようにセパレートタイプは用意されていない。一点困るのは、勘違いしているいやな上司から『隣り空いてる?』とたずねられた時だけだ!?(笑)そんな時は、広大なリアスペースに失礼のないようにご案内しよう。 さて、フロントシートの掛けごこちであるが、ふわっとした柔な感じではない。下からの反力は、約15分程度の試乗時間の中では、何ら問題ないフィールであった。(長距離走行時の疲労感までは、推し測れない。)サイドのサポート性については、特に考慮は見られないのだが、比較的滑り難く、容易に横方向にもっていかれる感じではなかった。 運転席シートリフター、チルトステアリング、アジャスタブルショルダーベルトアンカーは、セットオプション(アジャスタブルパック)となる。(オプション価格<消費税抜>;\15,000) リヤシートは、一体ロングスライド&分割リクライニングが可能だ。リヤシートのスライド量は、255mm(現行ワゴンR(RR)<135mm>)で、手軽に荷室スペースを広げることが出来る。またシートアレンジは多彩で、フロントシートをフルリクライニングした”ロングソファーモード”、助手席側のみをフルリクライニングモードにした”フロントサイドフラットモード”、片側のリヤシートバックを前方に倒した”ハーフラゲージモード”、両側のリヤシートバックを倒した”フルラゲージモード”など広大な室内空間を自在に操れる。 4.変速機(CVT) 急激なアクセル操作を避け、車をゆっくりと加速させていった時のフィールは、なめらかなダイレクト感があり、かつCVTの金属的な音は一切聞こえず、いい意味でCVTらしくなく上出来と感じた。だが、アクセルを深めに踏み込み高回転領域となるとやはりCVTであることが、音とフィールで認識できる。但し、高回転域のCVT的音は、音圧が比較的低く抑えられていて、大きな不満はない。 高回転域におけるCVTの伝達フィールは、スムーズかつ比較的ダイレクト感を伴なうもので、こちらも不満のないレベルといっていい。 総じてインプットリダクション方式によりベルトへの慣性力を低減させたことが良い結果をもたらしているといえそうだ。 5.アクセルワーク 通常の発進加速においては、軽いアクセルワークで必要にして充分な加速感が得られるのでゴーストップの多い市街地走行でも疲れない。アクセルを深めに踏み込めば、短時間でストレスなく80km/h以上の速度に達する。こうした加速力をもってすれば、もたもたしたコンパクトカーなどを軽々と置き去りにすることは、容易だ。速度違反という「不幸な事態」に陥らないための状況把握は、重要だ。健闘を祈る!? 6.エンジン音 アイドリング時の音は、軽をふっと忘れるほどのレベルにまで抑えられている。 ゆっくりとアクセルを開けていった場合、つまり低回転からゆっくりとした加速態勢に移行していく過程においては、これ軽?とそういいたくなるほど室内への侵入音は抑えられていると感じた。アクセルを深めに開けた時にもエンジン音は低く抑えられていて、むしろCVT音の方が耳に届く。CVT音は、ある程度仕方ないといったところで、いかにも軽でございますといったエンジン音がうまくマスキングされていることを評価しておきたい。実は、NA+4ATの新型ムーヴXにも試乗したのだが、こちらはいかにも軽といったエンジン音が耳に届くもので、いささか興ざめしたことを今回のカスタムRSの出来のよさと対比して参考に付け加えておく。 7.ステアフィール 電動パワステなのだが上々のフィールを示す。ステアフィールにも”軽だから・・・この程度だ”という評価レベルを超えたものを感じたのである。実に緻密なフィールである。ちょっと切っただけでもその質の良さが伝わってくるのだ。切った分だけ素直に反応するフィールは気持ちよく、上質感さえ与えてくれるグッドフィールである。 角速度を速めた車線変更では、ソニカよりややグラッとくるフィールを感じた。ソニカより車高が高く、重心が高いことが影響していると思ったが、逆に個人的にはソニカは、刺激性が薄く優等生であるともいえる。その点、ムーヴカスタムRSは角速度を速めた時のレスポンスにピリッとした刺激性がある。車両姿勢の安定度を伴った範疇の中でのピリッとしたステアフィールは個人的には好ましい。 8.ブレーキフィール 制動力の立ち上がりがやや急で、極端ではないがカックンぎみなフィールは出来れば改善して欲しい。こうしたフィールは、個人的には低速時からのブレーキングに妙な神経を使うことになり疲れるのだ。ワゴンR RR RR-S Limitedのブレーキフィールにはリニア感があり、こうしたフィールが望ましいと余計なことを言っておく。 9.コーナリングフィール 残念だが試乗コースには適当なワインディングロードはなく、交差点を曲る際のフィールをお伝えするが、ボディが大きくロールするような柔なフィールではない。ここでも新型ムーヴXを引き合いに出して申し訳ないが、ムーヴXの場合は、深いロール角を伴い個人的には耐えられないフィールであるが、ムーヴカスタムRSでは不快なロール感(もちろんロールはする)を感じることなく、軽快に駆け抜けることが出来る。恐らくワインディングロードを走行したとしても軽快感のあるハンドリングがそこそこ楽しめるものと推測する。 10.乗り味 凹凸のいなしがうまい。凹凸乗り越し時のフィールは、実に心地よいものだ。例え長時間の悪路走行をこなしたとしても、ドライバーの疲労感は少ないのではないかと推測するほどだ。ムーヴXをたびたび引き合いに出して申し訳ないが、ムーヴXの足は、軟らかくフワッとしていて全く個人的には好みではないわけだが、そのムーヴXの足とは対極にある心地よさをムーヴカスタムRSが持ち合わせているといっていい。
以下、スズキワゴンR RRと外観寸法、動力性能面、価格面及び燃費について比較した。(下表参照)
・動力性能面[上表C値(動力性能の一つの指標)]では、数値上僅かにワゴンR RRがリード。オプション装着により装備面での差異を出来る限り縮めた場合(イコールではない)の価格を用いた比較では、リッター当たり価格、馬力当たり価格共にワゴンR RRが優位である。(参考迄)尚、装備比較詳細については、”ダイハツ ムーヴカスタムRS VS スズキ ワゴンR RR装備&価格比較”を参照方。 街の試乗屋のコメント(補足) 今回試乗したダイハツムーヴカスタムRSは、もはや単なる軽自動車として見てはいけない。それは、エクステリア、インテリアの妥協のないデザインと上質な作り込み、及びステアフィール、加速フィール、室内騒音レベル、乗り味にも軽自動車の枠を超えて車としての質感が高められていると感じたからだ。これでブレーキフィールが向上すれば、さらにいい。 残る問題は、価格かもしれない。ワゴンR RRと比べると装備面での優位性はあるものの、割高感は、否めない。ここは、購入者が価格に見合った価値観を新型ムーヴカスタムRSに見出せるかどうかにかかっている。 Equipment&Spec(ダイハツ ムーヴカスタムRS VS スズキワゴンR RR装備&性能比較
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