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HONDA |
Equipment&Spec(ホンダインスパイア35TL VS 日産V36スカイライン350GT TypeP装備&性能比較) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Jan.2008 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
HONDA INSPIRE IMPRESSION (ホンダインスパイア35TL試乗インプレッション) |
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今回試乗した車は、5代目となる新型インスパイア(米国での呼称;アコード)である。初代は、 今回の5代目新型インスパイアに目を移すと、低重心化を徹底追及したプラットフォームにエンジンを低位置にマウント、旋回時のエンジンの傾きを制御する技術(車体のロール方向と同方向にエンジンを傾けることによって自然なステアフィールを追求したとのこと)、燃料タンクを薄型化し、リアシート下にレイアウトすることによる慣性モーメントの低減など、やはりホンダならではの拘りが随所に見られるのである。また、6気筒と3気筒を切り替える従来の可変シリンダーシステムに4気筒への切り替えを付加した新可変シリンダーシステム(VCM;Variable Cylinder Management)を採用し、ハイパワーと低燃費の両立をより高度に進化させた。 その他、エンジン振動を軽減する”アクティブコントロールエンジンマウント”と気筒休止時などのこもり音を低減する”アクティブノイズコントロール”を装備し、快適性&静粛性にも配慮している。 エンジンは、型式J35A〔(レジェンドと同型式)排気量3471cc、水冷V型6気筒SOHC〕、最高出力280PS/6200rpm、最大トルク34.9Kg.m/5000rpmを発生する。(使用ガソリン;レギュラーガソリン、、10・15モード燃費;9.8Km/L) グレードは、35iLと35TLの2グレードで、35iLにはHDDナビ(35TLオプション)、GPS制御偏日射コントロール式左右独立温度インテリジェントフルオートエアコンディショナー(35TLオプション)、車間を自動制御する機能を持つACC;アダプティブクルーズコントロール(35TLは、クルーズコントロール)、本革&木目調コンビステアリングホイール(35TLは、本革巻ステアリングホイール)、雨滴検知フロントワイパー(35TLは、ミスト機構付間欠フロントワイパー)が標準装備、エアバックについては、運転席&助手席、サイド(前席)、サイドカーテンエアバックが両グレードともに、すべて標準装備である。 ボディカラーは、プレミアムカラー2色を含め、7色用意されている。 1.エクステリア 先代の4代目インスパイアは目立たず控えめで、ともすると空間に埋没してしまうデザインであったように感じていたが、今回の新型インスパイアのエクステリアには威風堂々とした雰囲気と自信に満ちた主張が感じられるのである。シャープなライン構成が、ボディ全体を引き締め、凛とした印象を与えている。 特に前後のドアハンドルに沿って引かれた深堀のプレスラインは、単なる柔なセダンではないという差別化を強く主張しているように映る。またドアハンドルの下部に繊細に施した幅の狭いシルバーのラインが深堀のプレスラインと相まってサイドビューを際立たせている。リアビューも一貫してエッジを効かせたシャープなライン構成でまとめられ、統一感があり好感が持てる。 街の試乗屋の一感性で申し上げれば、今回の新型インスパイアのエクステリアからは、何やら他のセダンたちとは一線を画した独自の魅力が放出されていると感じさせるのである。 2.インテリア 落ち着いた上質感、先進性、スポーティ感、セダンとしての居心地の良さといったところが程よく調和し、バランスしていると感じさせる。このように感じさせる理由の一つに、プラスチック部品の巧みな造形と質感向上が挙げられると思う。今回の新型インスパイアでは、特にそのことを強く感じさせるもので、各プラスチック部品一つ一つの造形とメッキ&表面処理(カラーリングを含む)への真摯な拘りが伝わってくるのである。インストルメントパネルに丁寧に施されたヘアラインをはじめ、センターパネルにレイアウトされた各種のスイッチ類、シフト周り、メーター周り、ステアリングスイッチ類などにその拘りを窺い知ることができるのである。 唯一個人的な贅沢をいえば、いささか渋さの濃い木目調パネルしか選択の余地がないことである。35TLグレードには、スポーティ感を強調するアルミ調パネルなどが選択できるとうれしい。(コストが絡む話ゆえにそう簡単ではないことをおおよそ理解した中で、あえて申し上げておきたい。) 3.シート ドライバーズシートの着座感は、下からの支え方に適度な硬質感(沈み込んでいくのではなく途中できちんと体が止まる)があり個人的には好ましい。腰部の受け止め方も心地よい。シート幅にも余裕がある。 リアシートの着座感もドライバーズシートと同様に適度な硬質感を伴ったもので、ソフトタッチなフィールがお好きな方からは敬遠されるかもしれないが、長距離走行時においては疲労感が少ないであろうと推測する。 4.変速機(5AT) ゆっくりとしたアクセルワークにおいては、変速時のショックは殆ど意識下におく必要が無い。もちろんアクセルを不用意に深めに踏み込んだときにはキックダウン時のショックを少なからず感じはするが、それは瞬時に完了し、不快と言えるものではない。 昨今のオートマチックトランスミッションについては、制御系の著しい進化によってきめ細やかな制御を可能としている。この新型インスパイアの5ATについてもほとんど不満を感じることは無い。 5.アクセルワーク アクセルをゆっくりと踏み込んでいくとドライバーの意思どおりに車が前に滑り出す。なかなか上質なフィールである。さらにアクセルを踏み足してゆくとスムーズな加速感が加わり、ドライバーの意思と連携した気持ちのよい加速フィールが味わえる。中間加速域でアクセルを僅かに踏み足した場合の加速のノリは、なかなかスポーティなフィールを示し、個人的には満足度が高いフィールだ。低速度域からアクセルを深めに踏み込むとまったく気筒数の切り替えを意識することの無いスムーズでトルクフルな加速感が味わえる。 新型インスパイアは、DBW(ドライブ・バイ・ワイヤ)を採用しているが、アクセルワークとの一体感がしっかりと感じられ、制御系への深化が感じられる仕上がりぶりだ。 6.エンジン音 室内に入ってくるサウンドは、アイドリング音を含め、心地よく感じる。特にパーシャル領域からの微小なアクセルワーク時に耳に届くサウンドは、なかなかスポーティで、昔ながらの車好きのハートを擽る新型インスパイアの隠し味といえるかもしれない。 7.ブレーキフィール 街中における試乗では停止時に特に気を使うフィールではなく、効き具合にも不満は無い。ブレーキペダルの踏み応え感については、可もなく不可もなくといった印象である。 8.ステアフィール 中立付近には落ち着きがあり、強制されるものではなく極自然なフィールがいい。操作感には緻密さが感じられ、高品質なフィールである。約70Km/h程度で軽く左右にステアしてみるとノーズは、遊びを感じることなく追従する。なかなかスポーティな直結感のあるフィールを示すのだ。 例によって角速度を速めてみると適度なレスポンスで、スッと向きを変え、スッと収まり、動きが自然で違和感がない。落ち着きを持ったスポーティな楽しさが感じられるステアフィールといっていい。 9.乗り味 全体に硬質感のある乗り味である。硬さは感じられるものの、それをボディが受け止めてくれていると感じられるもので、単に硬いサスといってはいけない。どちらかというと速度域が高い方に対して、フラット感が高まる印象ではあるが、低速度域で走行させても硬質感を伝えながらもしっかりと突き上げ感が抑えられているスポーティなフィールを示すのである。(この低速度域の乗り味は、硬質感を強く感じさせながらも突き上げ感をうまく抑えているという点で従来のホンダ車の乗り味には見られなかった新鮮なフィールである。) 個人的な贅沢を言えば、低速度域からアクセルを深く踏み込んだ時の加速時において、更に地に足がついたどっしりしたフィールが味わえれば、文句は無い。 10.コーナリングフィール 中速コーナーを80Km/h程度で走行してみたが、骨太感がある高い安定度を示し、極普通の速度域における不安感は皆無といってよく、いたずらに神経を使うことなくなんなくクリア出来るのである。かといってスローインファーストアウトの物理的理解を忘却のかなたにしてはいけません(笑)
以下、日産V36スカイライン350GT TypePと外観寸法、動力性能面、価格面及び燃費について比較した。(下表参照)
・10・15モード燃費についてはインスパイアが優位で、スカイラインの使用ガソリンがプレミアムガソリンに対してインスパイアはレギュラーガソリンを使用する点も挙げておきたい。 ・動力性能面ではスカイラインが優勢、価格面ではリッター当たり価格で、インスパイアがやや優位である。(参考迄) (価格面の比較にはインスパイア35TL:\3,612,858(消費税抜)、V36スカイライン350GT TypeP:\3,947,162(消費税抜)を用いたが、詳細については、"ホンダインスパイア35TL VS 日産V36スカイライン350GT TypeP装備&価格比較”を参照方) 街の試乗屋のコメント(補足) 今回の新型インスパイアは、街の試乗屋の一感性で恐縮だが、国内外を含めたセダンたちとは一味違ったホンダ独自のカラーが前面に強く出たセダンであると思う。それは、エクステリア、インテリア、エンジン性能と燃費、車室内騒音レベル、乗り味といった個々の特性の一つ一つにホンダらしい頑固さ(もちろんいい意味での)が強く感じられるからである。 特に個人的に気に入ったのは、日本の普通のセダンたちとは明らかに一線を画す骨太感のある独特の走行フィールである。単に乗り味の硬さを露呈するものとは全く異なり、しっかりと路面の凹凸をいなしつつ骨太感をドライバーにしっかりと感じさせるところが、個人的には大いに気に入ったのである。こうした骨太感を伴い、地に足をつけたスポーティな乗り味は、例え低速度域であっても車好きの感性を大いに刺激し、楽しませてくれるのである。 今回の新型インスパイアはホンダのアイデンティティが色濃く反映された、どの車にも似ていない強い個性をもったスポーティセダンと断言していい。 Equipment&Spec(ホンダインスパイア35TL VS 日産V36スカイライン350GT TypeP装備&性能比較)
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