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HONDA
Equipment&Spec(ホンダオデッセイアブソルート VS スバルエクシーガ2.0GT装備&性能比較)
Apr.2009
HONDA ODYSSEY IMPRESSION
(ホンダオデッセイ試乗インプレッション)


今回試乗した車は、4代目を迎えた新型ホンダオデッセイである。まずはじめにディメンション、エンジン出力、燃費などについて、3代目と比較(比較グレード;アブソルート)してみた。(下表参照)
項目 A B 差(A-B)
新型4代目オデッセイ
<アブソルート>
( FF 5AT)
3代目オデッセイ
<アブソルート>
( FF 5AT)
全長(mm) 4800 4765 +35
全幅(mm) 1800 1800 ±0
全高(mm) 1545 1550 -5
ホイールベース(mm) 2830 2830 ±0
トレッド前/後(mm) 1560/1560 1560/1560 ±0
  室内 長さ(mm) 2850 2790 +60
幅(mm) 1535 1535 ±0
高さ(mm) 1220 1220 ±0
エンジン 排気量(cc) 2354 2354 ±0
最高出力(PS) 206 200 +6
最大トルク(Kg.m) 23.7 23.7 ±0
車両重量(Kg) 1630 1640 -10
タイヤ 225/45R18 215/55R17 +10/-10/+1inch
最小回転半径(m) 5.4 5.4 ±0
10・15モード燃費(Km/L) 11.4 11.0 +0.4
NOTE)表記の数値は新型オデッセイ;08/10時点、3代目オデッセイ;04/1時点の公表値

全長35mm長く全幅同値全高-5mm低くなった
ホイールベーストレッドは、同値
最小回転半径は、同値5.4m
全長+35mmに対して、室内長は、数値上+60mm拡大した。
・旧型と同一型式(K24A)のエンジンだが最高出力を+6PS向上させている。
・車両重量は、-10Kg
10・15モード燃費は、+0.4Km/L改善し11.4Km/Lを記録。

ちなみにMグレードのFF仕様では、車両重量で-20Kg、エンジン出力で160PS⇒173PS、燃費では12.2Km/L⇒13.2Kmと、大幅な改善が見られる。(電動パワーステアリングを採用したことも燃費改善に貢献)
安全面では、LKAS(車線維持支援システム)マルチビューカメラシステム(フロントブラインドビュー、左右サイドビュー、リアビュー+グランドビュー)が新設された。(LKASは、Absoluteにオプション、Liに標準装備、マルチビューカメラシステムは、全グレードオプション)
ボディカラーは、6色で、プレミアムミスティックナイトパール(消費税抜き+\35,000高)がAbsolute専用色として設定されている。

1.エクステリア
今回のフルモデルチェンジで得たフォルムは、基本コンセプトを継承しつつもメリハリを利かせたより鋭いプロポーションとなった印象だ。アブソルートではシューズのインチアップ(17⇒18)によりさらに精悍さがプラスされた感じだ。フロントマスクは、いわゆるホンダのアイデンティティがしっかりと感じられるインパクトの強いイメージのものとなり、ややつり目の切れ長のヘッドライトと共により精悍な印象を与えている。サイドビューでは、ボディ下部のモールディングに変えて深さを持たせた明瞭なプレスラインとフロントフェンダーから後席ドアノブを貫くプレスライン+後席ドアノブから一段下がったところからラップするようにリアのテールライトへと伸びるプレスラインの夫々が4代目オデッセイのキャラを特徴付けている。1点リアビューについて余計なことを言えば、リアのテールライト形状がオーソドックスなワゴンのそれといったイメージで3代目との差別化は図られたものの今一歩オデッセイとしての主張が感じられず、面白くない。リアの造形は悩ましいところであろうと思いつつもオデッセイとしての独自性を追求したデザインを魅せて欲しかったと勝手なことを言っておく。

2.インテリア
より大胆にアッパー、ミドル、ロアの造形に立体感を持たせたダッシュボードは、3代目と比べてよりアグレッシブになったと感じさせる。逆三角形にせり出したセンターパネルから弧を描きロア面左右へと広がるアルミ調のガーニッシュ(Mタイプは、木目調)とミドル面で同じく弧を描いてセンターパネルに収束し形成されるフォルムが相互に織り成す立体的な造形は、なかなか面白く力感のあるデザインだ。逆三角形といったが、ここにHonda HDDインターナビシステムをコントロールするためのプログレッシブコマンダーが装着されなければ、デザイン上ちょっとさまにならない。したがって、トータルデザイン的に考えるとHonda HDDインターナビシステムは、外せないオプションと思う。その他3代目との相違点をいえば、エアコンの温度調整がダイヤル式からプッシュ式、左右のエアコンアウトレット形状が丸から四角になり運転席側が縦長形状で助手席側とは異なったデザインを採用、スピード、タコ、フューエル、水温の各メーター類が拡大され各種警告灯はスピードメーター内または外周に集約、シフトレバーによるシフトチェンジをなくし、アブソルートにはパドルシフトを設定、三角窓は、新型ストリームと同様にサブピラー(補強用の支柱)レスとし、視認性を向上させている。

3.ドライバーズシート
アブソルートのシートは、Mグレードに比べるとやや硬めな印象だが、個人的には面圧分布が適切に感じ、ロングドライブもこなせそうな予感がした。

4.変速機(アブソルート;5AT、Mグレード;CVT)
Dポジション固定であくまでマナーよくアクセルを開けていった場合の変速フィールは、変速時の制御プログラムに磨きがかかっているといった印象で、変速ショックはほとんど皆無といってもいいほどだ。但し、アクセルを不用意に大きく開けた場合のキックダウン時の変速ショックについては、よく抑えられているとはいえ、どうしても少なからずショックを感じる。キックダウン時の制御については、更なるプログラムの改善を!と贅沢な希望を言っておく。アブソルートに設定されたパドルシフトは、Dポジション固定でもパドルを操作すればシフト可能で、Dポジションには自動復帰するので使い勝手がいい。Sポジションを選択すると自動復帰のないパドルシフトによる変速が可能だ。やはり積極的なスポーティドライブに挑む!?のであれば、Sポジションに固定しパドルシフトによるマニュアル操作がお勧めだ。但しシフトダウン時のブリッピング機能は、備わっていない。
MグレードのCVTは、ストレスをまったく感じさせない滑らかなレスポンスを示す。CVTだから滑らかであるのは当たり前という表現ではくくれない制御系の細やかさが感じられる。

5.アクセルワーク
低速域から100Km/h程度までの領域におけるアブソルートのフィールをいえば、アクセルの微妙な踏みシロに対する加速感がドライバーの意思と滑らかに繋がっていると感じ、気持ちがいい。(アブソルートのフィールは、繊細かつ機敏になったと感じさせるが、CVTを搭載するMグレードではきめ細やかな気持ちのいい加速フィールが味わえることを補足しておきたい。)街中でアクセルを僅かに深めに踏み込むだけで、過不足のない加速力がついてくるのでストレスフリーだ。Sレンジ固定でパドルシフトを駆使したアクセルレスポンスは、ダイレクト感を伴った加速感が得られ、スポーティなドライビングもそこそこ楽しめる。

6.エンジン音
3代目と比較すると室内に入ってくる音の質感が向上した印象を受ける。ただ単に静かにしたというのとは違う。低回転時におけるエンジン音はエンジンの存在を知らせながらも全く不快ではない。高回転領域でも低級音は耳に入らず、ホンダエンジンらしい快音を聞かせてくれる。

7.ブレーキフィール
街中でのブレーキフィールは、コントロール性に優れ、実に扱いやすくなった。面ブレ、面精度のレベルが上がったのか?ジワリと効く。かっくんブレーキ的フィールもよく抑えられている。

8.ステアフィール
電動アシスト(EPS)となったが、しっとりとしたフィールだ。90Km/h程度で角速度をやや速めた車線変更をアブソルートで試みたが、地に足がついた動きをし不安がない。例え不測の事態に陥っても優れた回避能力を身に着けていると感じさせる。

9.乗り味
アブソルートにおける低速度での凹凸乗り越し時のフィールは、17インチサイズを履く先代のアブソルートよりも突き上げ感が丸められた印象だ。個人的にはもう少し丸めてもいいかな?とも思う。しかしながら高速度域(90Km/h以上)になると俄然乗り味の洗練度が増してくるように感じた。

10.コーナリングフィール
アブソルートで、やや速度を高めて故意にタイトコーナーに突っ込んでみたが、ためらいを覚えることは皆無で、シャシーがしっかりと受け止めてくれる感じで不安感を抱くことはない。不快なロール感を感じることもなく、非常にトレース性は高い。まあアブソルートでコーナーを攻め続けるという走りは、似合わないが、オデッセイアブソルートを単なるミニバンと舐めてはいけないと言っておこう。




以下、スバルエクシーガ2.0GTと外観寸法、動力性能面、価格面及び燃費について比較した。(下表参照)
車種 外観寸法 動力性能面 価格面 .燃費
(km/L)
全長 全幅 全高 A
重量/馬力
(Kg/PS)
B
重量/トルク
(Kg/Kg.m)
C
A×B
(Kg2/PS・Kg.m)
価格/リッター
(¥/L)
価格/馬力
(¥/PS)
HONDA ODYSSEY Absolute 4800 1800 1545 7.9 68.8 544 1,475,098 16,856 11.4
SUBARU EXIGA 2.0GT
4740
1775 1660 7.1 47.9 340 1,632,397 14,467 12.0
NOTE)

1.表記の燃費値&外観寸法は、ODYSSEY;08/10現在、EXIGA;08/6現在の夫々のメーカーカタログ記載値。
2.燃費値&外観寸法を除く表記の数値はODYSSEY;08/10現在(カタログ記載値&プライスリスト)、EXIGA;08/6現在(カタログ記載値&プライスリスト)のメーカー公表値を用いた計算値

注記)オデッセイが2.4L NAに対してエクシーガは2.0L TURBOであり単純に参考比較としてみて欲しい。
価格面の比較にはODYSSEY Absolute:\3,472,381(消費税抜)、EXIGA 2.0G:\3,255,000(消費税抜)を用いたが、詳細については、"ホンダオデッセイアブソルート VS スバルエクシーガ2.0GT装備&価格比較”を参照方

街の試乗屋のコメント(補足)
街中を転がすためだけにオデッセイを使うのは、オデッセイの能力を封じ込めているようでなんとももったいない。特に今回の新型オデッセイは、走りの質感向上を含め感性に訴える車作りと言う意味でおおいに深化したと思うからである。それは鋭さを増したエクステリア、アグレッシブに進化を魅せるダッシュボード、単に騒音レベルの低減だけではなく音質面にも気を配ったと感じさせる室内の快適さの提供、アクセル開度とドライバーの意思とが滑らかに繋がる気持ちのいいレスポンス(もちろんマナーよろしくアクセルを開けた場合ということを断っておくが、特にCVTグレードは、ベリーグッド!)、乗り味の格上げ、ブレーキの扱いやすさの向上などにあらわれているわけだが、こうした一つ一つの要素がドライビングの悦びを刺激し、オデッセイで遠出をしたい誘惑にドライバーを駆り立てるのである。
ホンダオデッセイは、唯一無二の個性的なミニバンであり、今後も進化発展し更なるサプライズを魅せて欲しいと願って止まない。


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