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MAZDA
Equipment&Spec(マツダデミオSPORT VS フィアットグランデプント16V Sport装備&性能比較)      
Aug.2007
MAZDA DEMIO SPORT IMPRESSION
(マツダデミオSPORT試乗インプレッション)


今回試乗した車は、マツダが『コンパクトカーのすべてをもう一度作り直した。』と謳う新型マツダデミオSPORTである。

以下に旧型デミオとディメンション、燃費などを比較した。
項目 A B 差(A-B)
新型デミオSPORT
(7Speed CVT)
旧型デミオSPORT
(4AT)
全長(mm) 3895 3925 -30
全幅(mm) 1695 1680 +15
全高(mm) 1475 1530 -55
ホイールベース(mm) 2490 2490 ±0
トレッド前/後(mm) 1465/1455 1475/1450 -10/+5
  室内 長さ(mm) 1815 1800 +15
幅(mm) 1425 1410 +15
高さ(mm) 1220 1290 -70
車両重量(Kg) 1020 1100 -80
タイヤ 195/45R16 185/55R15 +1inch,+10mm
10・15モード燃費(Km/L) 19.2 16.0 +3.2
NOTE)表記の数値は新型デミオ;07/6時点、旧型デミオ;02/8時点の公表値

全長は、30mm短く全幅は、15mm拡大し、全高は、55mm低められた
・全長-30mmに対して、逆に室内長は、+15mm拡大した。(努力シロ+15mm
・車両重量を80Kg軽減+CVTの採用により10・15モード燃費を20%改善した。

新型デミオSPORTに搭載されるエンジンは、旧型デミオと同一型式ZY-VE型で最高出力113PS/6000rpm、最大トルク14.3Kg.m/4000rpmを発生する。
新型デミオのグレードは、SPORT(5MT&7SpeedCVT,FF)、15C(5MT&CVT,FF,175/65R14)、13S(1300cc,4AT,FF&4WD,185/55R15)、13C-V(CVT,FF,175/65R14)、13C(FF;5MT&4AT,4WD;4AT,175/65R14)、13F(FF,4AT,165/70R14)である。10・15モード燃費のベストは、新たにミラーサイクルエンジン(1348cc、最高出力90馬力/6000rpm、最大トルク12.2Kg.m/4000rpm)+CVTを採用した13C-V23Km/Lを記録している。

1.エクステリア
従来型のデミオは、どちらかというと保守的なスタイリングで、もともと大胆なデザインがお得意なマツダ(1990年のユーノスコスモ、1991年RX-7など)にしては、遠慮しているように映っていた。今回の新型デミオは、その鬱憤を晴らすかのように旧来のデミオの殻を完全に破ったといえる。
このフォルムであれば、例えアルファ147、プジョー207、フィアットグランデプントに遭遇したとしてもまったく対等に、極自然体でその群れたちと融合してしまうだろう。
フロントフェンダーからリアテールランプへ向かって引かれた鋭く立ち上がったプレスライン、フロントドア下部からリアドアへ向かって、リアドア下部中央から大きく競りあがりを見せるラインのいずれも新型デミオに個性的な躍動感を与えている。新型デミオは、確かにデザインされた車という感じがする。とてもバランスがよくそのプロポーションは、美しい。女性にも男性にも違和感なく受け入れられやすいデザインではないだろうか?
ボディーカラーは、全11色が用意され、選択の幅は広い。

2.インテリア
インテリアは、デザインを楽しむ空間となっている。プラッキーな安っぽさが感じられないのもいい。成型で苦労したと思わせる曲面を採用したセンターパネルの造形は、見た目はシンプルだが、そこにはどこか動きが感じられワクワクする。助手席側ダッシュボードにスティック状に光を浮かび上がらせるダッシュボードイルミネーション(オプション)など心地よい演出も用意されている。新型デミオの室内空間は、掛け値なしに居心地がよく、さわやかな気分にさせてくれるのである。一点余計なことを言うが、ナビゲーションシステムを装着した場合にはセンターパネルの場所に液晶画面をはめ込むことになるため、センターパネルの造形を楽しむことが出来ないのである。これは、解消できない矛盾点でありデザイナーからすれば、かなり残念なことであろう。
収納に関して面白いと思ったのが、グローブボックスの前面に設けたA4サイズの雑誌が入るマガジンラックである。好きなロケーションで好みの雑誌に目を通すのも楽しいかも・・・。

3.シート
どちらかというとソフトタッチな感触ではあるが、アンコ?が入っていて下から受け止めてくれている感じが不思議に心地よい。ロングドライブでも意外に疲れないすわり心地と推測。

4.変速機(7speed CVT)
Dレンジモード、マニュアルモードのいずれにおいてもCVTであることはすぐに意識させられる。
しかしながらCVT的サウンドは、比較的抑えられていて耳に届く音質は悪くはない。
加速させた後のブレーキング時に聞こえてくるベルトの開放音も音質、音圧共に嫌味な感じではない。
マニュアルモードへの切り替えは、シフトレバーの右隣にあるボタンをプッシュする必要がある。ただ単にパドルに触れただけでは切り替わらない。マニュアルモードで回転を上げてシフトするとCVT的な音質が高まることもあるのだが、いかにもベルトで変速していることを意識させられてしまい、個人的には好まない。しかし、あまり回転を上げないように早めにシフトアップしていくとシフトアップと加速感が比較的リンクし、好ましいフィールが得られる。
少し余計なことを言ったが、CVTのフィールを特別視する方でない限り、なんら問題はないだろう。

5.アクセルワーク
アクセルワークに対しての直結感は、それほど強くはないが、アクセルを踏み込んでいきさえすれば街中では必要にして十分な加速が得られる。13C-Vにも試乗したのだが、街中においてはアクセルの踏み込み量をSPORTに対して増やしてやるといった感覚で走らせれば、軽快な動きを見せ、近場主体に転がすのであれば13C-Vで十分事足りるともいえる。

6.エンジン音
アイドリング音は、低く抑えられている。走行時の音はCVTらしき音にエンジン音が乗っかっている感じだが、音質はさわやかで音圧自体もよく抑えられていて耳障りな感じがない。

7.ブレーキフィール
街乗り80Km/h以下程度の通常のブレーキングでは、なんら不満がなく扱いやすいフィールであった。構造的には例えSPORTであってもリアがディスクではなくドラム式(旧型も同じ)ということが気持ちの上ではやや引っかかる。

8.ステアフィール
電動パワステの操舵感は、総じて軽めだが一定の重さ感で好ましい。決してクイックではないがステアした量に素直に反応する感じがさわやかだ。例によって角速度を速めて見たが、車両は穏やかに反応する。誰が乗っても安心感が感じられるナチュラルフィールである。

9.乗り味
乗り心地は、凹凸を適度に丸めてドライバーに伝達してくれるので心地よい。何も伝えないのではなく、丸めながらもしっかり感をドライバーに伝えてくれるなかなか洗練された乗り味を見せてくれたのである。しかも硬くもなく柔らかくもなくうまい着地点を見つけた乗り味が個人的には気に入った。
旧型デミオの乗り味にも感性に訴えかける何かを感じたものだが、新型デミオはそれにさらに絶妙のスパイスを加え、より洗練された乗り味を獲得したと言える。コンパクトカーの範疇でいえば、今回の新型デミオの乗り味は、他車に対して十分なアドバンテージがあると思う。
ノーマルサスペンションである13C-Vの乗り味に関しても上述した同様のフィールが感じられ、実に快適であると付け加えておく。

10.コーナリングフィール
試乗コースにはワインディング路はなく、とあるタイトコーナーへと突っ込んだときの感じを言えば、ロールは比較的許すが粘りが感じられるフィールで、例えば下りのワインディングは、攻め甲斐があると推測した。これは、あくまで勝手な推測であることをお断りしておく。




以下、フィアットグランデプント1.4 16V Sportと外観寸法、動力性能面、価格面及び燃費について比較した。(下表参照)
車種 外観寸法 動力性能面 価格面 .燃費
(km/L)
全長 全幅 全高 A
重量/馬力
(Kg/PS)
B
重量/トルク
(Kg/Kg.m)
C
A×B
(Kg2/PS・Kg.m)
価格/リッター
(¥/L)
価格/馬力
(¥/PS)
MAZDA DEMIO SPORT 3895 1695 1475 9.0 71.3 642 1,047,905 13,892 19.2
FIAT Grande Punto 1.4 16V Sport 4050 1685 1495 12.2 91.3 1114 1,475,912 21,253 -
NOTE)

1.表記の燃費値は、DEMIO;07/6現在、Punto;07/3現在の夫々のメーカーカタログ記載値。
2.燃費値を除く表記の数値はDEMIO;07/6現在(カタログ記載値&プライスリスト)、Punto;07/4現在(カタログ記載値&プライスリスト)のメーカー公表値を用いた計算値

・フィアットのカタログには10・15モード燃費の記載が残念ながらなく、比較できない。
・動力性能面[上表C値(動力性能の一つの指標)ではマツダデミオSPORT優勢]、価格面に於いてもマツダデミオSPORTが優位である。『これは、あくまで数値上のことでありフィアットグランデプント16V Sportという車は、数値では語れないなぜか不思議に楽しいドライブフィールを持ち合わせていることを補足しておく』(参考迄)
(価格面の比較にはマツダデミオSPORT:\1,562,762(消費税抜)、フィアットグランデプント16V Sport:\2,019,048(消費税抜)を用いたが、詳細については、"マツダデミオSPORT VS フィアットグランデプント16V Sport装備&価格比較”を参照方

街の試乗屋のコメント(補足)
マツダ新型デミオは、いろいろな意味で進化(深化)したといっていい。ひとつは、旧来のデザインコンセプトの殻を破り全く新しいフォルムを魅せてくれたこと。これは今までの延長線上では得られなかった、刺激的な進化だ。二つ目は、コンパクトカーとしての完成度の高さだ。それは、軽量化と燃費向上への取り組み、走行時の音質と騒音レベル、ナチュラルなハンドリングの実現、コンパクトカーを超えた乗り味といった点において、満足度が高いのである。
特に乗り味については、個人的には絶妙な味付けと大絶賛しておきたい。
付け加えれば、今回の新型デミオでは、最も燃費の良い13C-VとSPORTの乗り味を比べても13C-Vの方が走行フィール上で不満足感を抱くといったことがないのである。これは、基本性能が高いという証明でもある。したがって、今回の新型デミオに限って言えば、どのグレードを選択しても当たり外れはないということになろう。


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