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HONDA |
ホンダシビックタイプR VS フォードフォーカスST装備&性能比較 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Apr.2007 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
HONDA CIVIC TYPE R IMPRESSION (ホンダシビックタイプR試乗インプレッション) |
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今回試乗したホンダシビックタイプRは、FF TYPE R史上最速のタイプRを開発命題に掲げ、それを
速さを獲得する為のエンジンは、NSXと同等の製法(面粗度低減のために樹脂コーティングを施す)によりヘッドポートの流体抵抗低減、単管等長ショートインテークマニホールド形状ストレート化、スロットルボディ大径化(φ62mm⇒φ64mm)及びDBW(ドライブ・バイ・ワイヤ)、高圧縮比化(11.5⇒11.7)、エキゾーストマニホールド集合部鋭角化、完全デュアルエキゾーストパイプ形状ストレート化(2007年3月現在のカタログより抜粋)などによりDC5インテグラタイプRに対して出力で5PSアップの225PS、トルクで0.9Kg.m高い21.9Kg.mへと引き上げられている。 サスペンションは、ほぼ専用部品で18インチタイヤ(ポテンザRE070;225/40R18)の性能を生かしたセッティングによりDC5インテグラタイプR以上に接地感が高められたという。 ブレーキは、フロント、リアともにDC5インテグラTYPE Rよりもディスク径を20mmサイズアップ(フロントφ300mm⇒φ320mm、リアφ262mm⇒φ282mm)、フロントにブレンボ社と共同開発した軽量・高剛性のアルミ製対向4ポッドキャリパーを採用、止まる性能にも抜かりがない。 また、リアの大型スポイラー、フロントスポイラー、ストレーキ、リアディフューザーを装備し、高速走行時の安定性が高められている。 1.エクステリア チャンピオンシップホワイトの試乗車は、なかなかレーシーな雰囲気をもっていた。 車高をノーマル比10mmダウンし、専用18インチホイール、専用フロントバンパー&黒つや塗装フロントグリル、専用リアバンパー&黒つや塗装リアディフューザー、専用フロントスポイラー&ストレーキ、専用フード&フロントフェンダー、専用サイドシルガーニッシュ&黒つや塗装大型リアスポイラーと多くの専用アイテムで武装したシビックTYPE Rには、走りを極めたいという思いが純粋に機能美として結実していると感じられた。こうした理に叶ったアプローチから得られた機能美は、魅力的だ。ノーマルシビックのいささか不可解に感じられたフォルムは、こうした機能美に圧倒され、微塵も感じられなかったと報告しておく。 2.インテリア インテリアもまたエクテリアと同様にTYPE R専用アイテムによる差別化がレーシーな雰囲気を作り上げている。 専用3本スポーク小径楕円本革巻きステアリングホイール、アルミ製球形シフトノブ、メタル製スポーツペダル&フットレスト、専用マルチプレックスメーター(自発光/レッド照明)、エンジンスターターボタン、i-VTEC/REVインジケーター(ハイカム側に切り替わったところで左側にあるi-VTECランプがレッド色に点灯、以後、エンジン回転上昇に追随して右側に6個並んだREVインジケーターが順次点灯していきエンジン回転数の高まりを知らせてくれる。5個目のレッド色ランプ(1〜4個目まではイエロー色)点灯で最高出力回転数に到達した目安となる)などのアイテムに加え、フロントシートにはタイプRに最適なシートとは如何にあるべきかと問い、ホンダ自らが専用に開発したHonda R specシートを採用、リアシートについては、あえて2名としサポート性を高めた専用シートが採用された。 今回あえて、定番のレカロシートを使わずにホンダ自らが最適なシートを創りあげたところにもシビックタイプRへ込めたホンダの本気度を窺い知ることが出来る。 一点残念に思うのがステアリングで、エアバック収納スペースのデザインが究極の走りを目指したタイプRには似合わないことだ。小径楕円までやるのだから、ここは思い切ったデザインを取り入れたタイプR専用ステアリングにチャレンジして欲しかった。 3.シート 下から突っ張った反力もなく、実に自然体で着座していられる感じだ。もちろん短時間試乗であり、すべてを語ることなど出来ないが、とにかく違和感がなくシートの存在感をことさらに意識することがないのだ。恐らく長距離走行時には疲労感が少なく、期待に応えてくれるものと推測する。サイドサポートは、決して窮屈ではないが、軽く体を左右に揺すってみた時のサポート性はなかなか良好といったフィールだ。 4.変速機(6MT) 球形のシフトノブは握りやすく、シフトレバーの位置が適切なので、自然体でシフトワークが出来るのがいい。ハンドブレーキもついでに言っておくが、シフトレバーのすぐ右隣にあり、これもまた実に扱いやすい位置にある。ストロークは、驚くほどショートには感じなかったが、実に軽く小気味よくシフトが決まる。 クラッチはDC2、DC5インテグラタイプRよりも軽く、ミートポイントでの気難しさも一切ない。ヒール&トゥもやり易い。 今回の試乗では、シビックタイプRの性質上、必然的に高回転まで回した走りに主眼を置くことになり、結局使用したギヤは、ほとんど3速までで、4速を僅かに使用したという状況であった。 従って、5速、6速の低回転で街中をゆったりと流してみるといったフィールは、今回報告できない。 5.アクセルワーク ゆっくりとしたアクセルワークでクラッチを繋ぎ、ディーラーを出てからすぐに右足に若干力を入れて、アクセルペダルを踏み込むと、エンジンのツキはすこぶるよく、たった走行距離115Kmの車とは思えない鋭いレスポンスをみせ、気持ちよくエンジンが吹け上がった。 最初のたった一踏みで得られたストレスのない爽快な加速感に思わず笑みがこぼれた。久しぶりに純粋な車というものに出会った気がした。 約6000rpm以上の領域におけるアクセルワークに対するエンジンのツキはすこぶる軽やかだ。 こうしたエンジンの軽快な吹け上がり感は、間違いなくDC5インテグラTYPE Rを凌ぐものだ。 とにかくアクセルワークとエンジンとの直結感がすこぶるいいので、アクセルを踏み込む行為そのものが、楽しいのである。 6.エンジン音 特徴的に感じられたのは、約6000rpmの領域からグッとアクセルを踏み込んだ時に耳に届くエンジンサウンドだ。このサウンドは、DC5インテグラタイプRとは異なるものだ。 言葉ではうまく表現しきれないが、それは、いかにもフリクションが少なくシュンシュンと吹け上がり、軽快感のあるメカニカルノイズを含んだ独特のエンジンサウンドなのである。この音色は癖になる。このサウンドを聞きたいがために、ついアクセルを煽りたくなるのである。 試乗も終わりに近づいた頃、ほんの短い区間をアクセルを緩めに開けながらシフトアップしていくと、控えめな重低音が耳に届いた。 こうしたシビックタイプRの心に響くエンジンサウンドは、まさにそのエンジンの存在を主張しているわけで、これこそ生粋のホンダ車といえよう。 7.ステアフィール 排気系への拘り(吸気システムへの拘り⇒排気系への拘り;07.5.3謹んで訂正致します。)から、レイアウト上、電動パワステが使用不可となり油圧式が採用されたとのことだが、中立付近の少し重めのどっしりとした落ち着いたフィールが個人的には好ましい。角速度をやや速めてみると、車両のツキは驚くほどいい。要するにステアリング操作量に比例した切れのいい動きをするのである。このフィールもまた癖になる。こんなことを平気で書くと間違いなく怒られそうだが、この手の車は、不用意に車線変更を繰り返したくなるのである。このフィールだが、フォードフォーカスSTと比肩するほどの好フィールといっていいだろう。フォードフォーカスSTのビシッとした挙動には恐れ入ったのだが、いい勝負だ。 シビックタイプRの本気度は、要所要所に現れているのである。 8.ブレーキフィール DC5インテグラタイプRもブレンボだったが、比較するとシビックタイプRの方がタッチが良好と感じた。とある信号の手前で、4⇒3⇒2とヒール&トゥでシフトダウンしてみたが、信号のはるか手前で停止してしまった。笑い話の様な本当の話!要するに安心感の塊りといったフィールだ。 ここまで気持ちよく制動力が立ち上がってくれると止まることもまた楽しい。 9.コーナリングフィール 試乗コースにあった中速コーナーをシビックタイプRの実力の片鱗をさぐりたいとの思いからアクセルを徐々に踏み込んでいったが、コーナーのトレース性は極めて高く、コーナリング姿勢は、どこまでも安定していると感じさせるものであった。これだけの安定感を見せつけられると、もっとその先を見てみたいという誘惑に駆られるのである。 どこにでもあるありふれたコーナーを抜けるときにもシビックタイプRならアクセルワークを純粋に楽しむことが出来ると確信した。 10.乗り味 硬さははっきりと感じられるが、ただ硬いだけではなく、足は落ち着いた動きをしていると感じさせる。低速時の凹凸乗り越し時においても不快な突き上げ感が残らない。しっかり感を感じさせながら路面からの不快な振動がうまく消されている。 軽く車線変更をしただけでもはっきりと剛性感がドライバーに伝達され、攻め込んでもボディーがしっかりと受け止めてくれると感じさせてくれる安心感に満ちた乗り味といえよう。 今回のシビックタイプRの乗り味は、DC5インテグラタイプRのどちらかというとあっさりとした味に対して、より多くの隠し味が加えられた洗練度の高い乗り味になった感を強くした。
以下、フォードフォーカスSTと外観寸法、動力性能面、価格面及び燃費について比較した。(下表参照)
・動力性能面[上表C値(動力性能の一つの指標)]では、数値上フォーカスSTが優位である。 上記NOTE3.の価格を用いた比較では、リッター当たり価格ではフォードフォーカスが優位、馬力当たり価格においては、両者拮抗。(参考迄) 尚、装備比較詳細については、”ホンダシビックタイプR VS フォードフォーカスST装備&価格比較”を参照方。 街の試乗屋のコメント(補足) 初代インテタイプRには強烈なエンジンの存在感があった。 そして2代目インテグラタイプRのエンジンは、トルクフルで乗りやすくはなったが、マニアックな印象が薄れてしまい、高回転時のサウンドも今一つ物足りないと感じていた。(02/5のDC5のインプレッションでは全く触れていないのだが、04/9に単独で試乗の機会を得たときにあらためて確認した印象である。) 今回のシビックタイプRは、型式こそK20Aであるが、NSXと同じ手法をヘッドポートに施すなどエンジンの存在感がしっかりと引き出されているところがいい。アクセルワークと直結した鋭く軽やかなレスポンスと高回転時の個性的なサウンドがその存在をはっきりと主張している。 TYPE Rのエンジンは、こうであって欲しいと思う。 ”歴代FF タイプR史上最速”を大命題とした開発手法は、まさにホンダらしいアプローチであり、今回のシビックタイプRの走りは、エンジンの存在感を含め、他ではまねの出来ないレーシングライクな味わいに満ちているのである。 ホンダシビックタイプR VS フォードフォーカスST装備&性能比較
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