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HONDA
Equipment&Spec(ホンダフィットG VS マツダデミオ13C-V装備&性能比較)
Dec.2007
HONDA FIT G IMPRESSION
(ホンダフィットG試乗インプレッション)


今回試乗した車は、2007-2008日本カーオブザイヤーの栄冠を初代(2001-2002日本カーオブザイヤー受賞)に続き手にした新型ホンダフィット(試乗グレードGタイプ)である。

以下に旧型フィットとディメンション、エンジン出力、燃費などを比較した。
項目 A B 差(A-B)
新型フィットG
(FF CVT)
旧型フィット1.3A
(FF CVT)
全長(mm) 3900 3845 +55
全幅(mm) 1695 1675 +20
全高(mm) 1525 1525 ±0
ホイールベース(mm) 2500 2450 +50
トレッド前/後(mm) 1490/1475 1455/1445 +35/+30
  室内 長さ(mm) 1825 1835 -10
幅(mm) 1415 1385 +30
高さ(mm) 1290 1280 +10
エンジン 排気量(cc) 1339 1339 ±0
最高出力(PS) 100 86 +14
最大トルク(Kg.m) 13.0 12.1 +0.9
車両重量(Kg) 1010 1000 +10
タイヤ 175/65R14 175/65R14 ±0
最小回転半径(m) 4.7 4.7 ±0
10・15モード燃費(Km/L) 24.0 24.0 ±0
NOTE)表記の数値は新型フィット;07/10時点、旧型フィット;05/12時点の公表値

全長は、55mm長く全幅は、20mm拡大し、全高は、同値である。
ホイールベースは、+50mm長くなり、トレッドは、前+35mm後+30mm夫々広くなった。
最小回転半径は、同値4.7m
・全長+55mmに対して、逆に室内長は、数値上-10mm短縮した。
・旧型と同一型式(L13A)のエンジンを用いながら最高出力を+16.3%、最大トルクを+7.4%夫々向上させている。
10・15モード燃費は、エンジン出力向上及び車両重量+10Kg増加というハンディにもかかわらず旧型と同値の24Km/Lを記録している。


新型フィットのグレードは、1.5リッターのRS(FF;5MT&7SpeedCVT、4WD;5AT)、1.3リッターのL(FF;CVT、4WD;5AT)とG(FF;CVT、4WD;5AT)である。GグレードとLグレードの主な相違点は、Lグレードではチルト&テレスコピックステアリングの設定に対してGグレードではチルトのみ、エアコンは、Lグレードがオートエアコンに対してGグレードではマニュアルエアコン、Lグレードではオプション設定となっているHondaスマートキーシステムがGグレードでは選択できない。ボディカラーは、RSが8色(内専用カラー2色)、Gが10色(内専用カラー1色)、Lが9色と選択の幅は広い。

1.エクステリア
確かにキープコンセプトが貫かれ、新旧の目新しい違いは視認性向上のために拡大された三角窓と、新たにオプション設定(RSの4WDを除く全グレード)されたスカイルーフ(電動サンシェードとセットオプション)程度であり、さくっと見た感じでは誰が見てもフィットと判別できるフォルムである。しかしながら、サイドビューを旧型フィットとよく比較してみると新型フィットのサイドビューは、とても伸びやかで躍動感が感じられるものとなっていることに気づかされるのである。このように感じさせるのは、傾斜を大きくとったフロントウインドウとサイドに引かれた3本のプレスラインとの相乗効果によるところが大きいと思う。アッパーに施されたライン(フロントフェンダー部で弧を描いた後、フロント&リアのドアハンドルを貫きリアのテールライトへと緩やかな傾斜を伴い導かれているライン)と大きく傾斜したフロントウインドウとにより、低く構えた姿勢から伸びやかに車を前に押し出そうとする躍動感が感じられ、センターとロアのプレスラインからは、アクティブに風の中を疾走するさまが感じとれるのである。キープコンセプトとはいえ、今回の新型フィットの巧みな変貌振りに拍手を贈りたい。

2.インテリア
最初に感じたのが、旧型に比べて明らかに質感が向上しているということだ。メーター奥のブラックパネルには丁寧にヘアラインが施されているし、助手席側にあるアッパーグローブボックスのカバーとオーディオ周りのパネルには配色にも気を使ったつややかな表面処理が施されている。プラスチック部品一つ一つの配色と表面処理には質感への拘りが感じられ、プラッキーな安っぽさがないところを評価しておきたい。
もう一点は、まさにデザインの面白さだ。左側のタコメーターと右側の燃料計&ATポジションインジケーターが納まる個々のメーター外側のリング状のカバーを夫々内側に向けたり、左右のエアーアウトレットの本体形状を曲面で構成したりとあえて単純ではない選択をしているところが面白い。さらにいうとダッシュボード全体の造形がまさに3次元空間との真面目な格闘の末に決定付けられたものと想像させるもので、アッパー、センター、ロアの各セクションのどこを見ても飽きさせない拘り深い造形に仕上がっているのである。
スピードメーター内の下側にある目に入りやすい位置にインフォメーションディスプレイがあり、走行距離(オドメーター&トリップメーター)以外にも、瞬間燃費(常時表示)、平均燃費、推定航続可能距離などが確認できるのでエコ運転を自然体で楽しめそうである。
新型フィットのポケットエリアは多彩で豊富だが、特にドリンクホルダーについては、合計で10個(全ドア、フロントコンソールボックス内、左右エアアウトレット、センターコンソール後部)も用意されており、ロングドライブ時の買い置きも可能だ。またリア左席シート下部に新設されたシートアンダーポケットに取説、整備関係書類、車検証などを収納し、グローブボックスを有効に活用することも出来る。
シートアレンジについては、旧型と全く同等で後席シートをたたんだユーティリティ・モード、後席シートの座面を跳ね上げたトール・モード(旧型と同等1280mmの高さを活用可)、後席をたたみ助手席を後方に倒したロングモード(旧型同様2400mmの長さスペースを活用可)、ヘッドレストを外し、前席を後ろに倒したリフレッシュ・モードの4パターンが可能だ。付け加えると新たに後席肩部のレバーを引くだけのワンタッチ操作で後席を倒すことが可能となり利便性が向上している。
収納スペースにおける新型フィットの目玉は、フレキシブルラゲッジボード(ウルトララゲッジ)〔Gタイプはオプション、他のグレードには標準装備〕である。@フレキシブルラゲッジボードを持ち上げて荷物を上下に分割;アッパー/ロア・モード(カタログでは下側にベビーカー、上側には買い物袋)Aラゲッジボードを開けると荷室の高さ1200mmを有効活用可;トール・モードBラゲッジボードを閉めると床下とラゲッジボード上を用途別に活用可;レギュラーモードの3パターンが選択でき、利便性が高い。(但し、4WD車の場合は床下収納スペースがFF車に比べて小さくなる。)
三角窓が広げられ視認性が向上したことについて、一言生意気な発言をさせていただくが、視認性が向上したことは大変結構なことなのだが、当たり前かもしれないが、安全確認はドライバーの意思にゆだねられていて、見えている⇒認識するという意思をもつことこそ重要である。そういった観点から拡大された三角窓を大いに活用したいものである。

3.ドライバーズシート
贅沢を言えば、下からの支え方にもう一工夫あると長距離走行時における疲労感が少なくなるように思われた。(これはあくまで個人的主観だが・・・。)コンパクトカーとしての質感が全体的に引き上げられていることを考えると、コストぎりぎりといわれそうだが、個人的にはいまひとつ着座感には拘りをもって欲しかった。左右のサポート性については少々コーナーを攻めてみたが、全く問題なく快適であった。

4.変速機(CVT)
トルクコンバーターが付加されたCVTということで早速スタート時からアクセルを深めに踏み込んでみるとなるほどしっかりと加速感が立ち上がっていくフィールを示した。加速中にいわゆるエンジン回転だけが先行する不快な感じではない。加速中の音質については、CVTであることが伝わってくるものだが一定速で走行中の騒音レベルはかなりおさえられていて快適だ。もう一点CVTの悪癖である急加速後にアクセルを離した際のベルト開放音であるが、こちらは旧型フィットと比較するとかなり改善されており低く抑えられているように感じられた。

5.アクセルワーク
加速のツキは、けっして鋭いとはいえないが、アクセルを深めに踏み込み加速の意思をドライバーがはっきりと示せば、気がつくと100Km/hへと到達することは容易である。普通に街中を転がす際の加速力としてみれば、1.3リッターGグレードで全く不満はない。しかしながら贅沢な不満を言えば、微小なアクセルワークに対しては、どうしても穏やかな反応しか得られないことだ。トルコン付CVTといえども微小領域におけるアクセルのツキに期待することは、ちょっと難しい。したがって新型フィットGのアクセルワークにスポーティなツキを求めてはいけない。アクセルを不用意に動かすことは出来るだけ避けて、加速後は、即アクセルの踏みシロを一定に保つか、またはスタート時からゆっくりとしたアクセルワークによるゆるやかな加速感を味わいながら速度を一定に保つなど、さまざまなエコドライブにトライし、それを楽しむ乗り方が新型フィットGには相応しいといえそうだ。

6.エンジン音
アイドリング音は十分に押さえ込まれており、オーディオOFFでも不満となる低級音は耳に届かない。アクセルを深めに踏み込んだ加速時には、CVT音が付加されたかたちでエンジン音が高鳴るが、押さえ込もうとする努力は感じられる。確かに欲をいえば、もう少し追い込んで欲しいところだがこちらもコストギリギリと言われそうだ。しかしながら騒音レベルが上がるのは、加速時だけであり一定速度を保ったアクセリングにおいては、実に平穏無事な車室内が提供されるのである。

7.ブレーキフィール
初期の浅い踏みシロに対して制動力の立ち上がりが急な感じで煩雑なゴーストップにおいては、やや気を使うフィールである。今後は例えコンパクトカーであっても踏みシロと踏力に対してリニアに立ち上がってくれるコントロール性のいいブレーキフィールを望みたい。(またまたコスト絡みの話をしてしまった・・・)

8.ステアフィール
なんとも軽い!車好きには手ごたえがなさ過ぎる操作感だが、いたって滑らかであり全く気を使うことがないストレスフリーのフィールである。路面とのコンタクト感も希薄だがステアリングに軽く手を添えていれば、なんら気を使うことなくきちんと仕事をこなしてくれる。路面からの情報が希薄だから全く持って車好きには物足りないフィールともいえるのだが、昨今この手の車を選択するユーザーの方々は、ステアフィールうんぬんは、ほとんど口にせずに運転がしやすいかどうかが問題のようだ。すなわちステアリングは軽いほうが良く、新型フィットGグレードの落としどころとしては、間違いではなく正解なのかもしれない。角速度を速めた車線変更を試みたが、驚くほど反応が穏やかで、あたかもスローモーションのように向きを変え、もちろん車体の安定度は高く、誰が乗っても安心安全な車に仕上げられていると感じられたのである。これは一昔前のコンパクトカーでは考えられなかったしなやかさを伴なった挙動である。

9.乗り味
昨今の新型車の乗り味の変化にはしばしば驚かされるが、今回の新型フィット(G)にも驚かされた。明らかに新世代のコンパクトカーとしての新鮮な乗り味が感じられたからである。足がきちっとストロークしていて旧型フィットの低速度域におけるコトコトした突き上げ感が消えており心地よい乗り味となった。感心するのは低速度域から高速度域(高速道路ではないので速度は限られるが)までの幅広い領域における凹凸乗り越し時において、豊かで気持ちのよい快適な乗り味を感じさせてくれることである。余計なことだが、極端に言えば、車をドライビングしていることをも忘れさせてしまうほどに快適指向だから根っからの車好きには物足りないともいえる。しかしながら、あえて言えば、コンパクトカーとして最大限の快適な移動空間を提供したことは間違いない。
車好きには好まれるデミオのようなスポーティ感を残し伝えようとする方向性ではなく、新型フィットの場合は、あくまでも快適な気持ちよさを味わってもらいたいというコンパクトカーとしての新鮮な乗り味を明示したといえそうだ。

10.コーナリングフィール
中速コーナーに故意にオーバースピード気味で突っ込んでみたが、不快なロールや危なげな挙動を示すこともなく、見事にサスペンションは、しなやかにストロークし乗り心地も快適に駆け抜けたのである。走行性能における安全性への配慮が十分に伝わってくる仕上がりぶりである。




以下、マツダデミオ13C-Vと外観寸法、動力性能面、価格面及び燃費について比較した。(下表参照)
車種 外観寸法 動力性能面 価格面 .燃費
(km/L)
全長 全幅 全高 A
重量/馬力
(Kg/PS)
B
重量/トルク
(Kg/Kg.m)
C
A×B
(Kg2/PS・Kg.m)
価格/リッター
(¥/L)
価格/馬力
(¥/PS)
HONDA FIT G 3900 1695 1525 10.1 77.7 785 914,862 12,250 24.0
MAZDA DEMIO13C-V
3895 1695 1475 11.0 81.2 893 925,533 13,862 23.0
NOTE)

1.表記の燃費値は、Fit;07/10現在、DEMIO;07/6現在の夫々のメーカーカタログ記載値。
2.燃費値を除く表記の数値はFit;07/10現在(カタログ記載値&プライスリスト)、DEMIO;07/6現在(カタログ記載値&プライスリスト)のメーカー公表値を用いた計算値

・10・15モード燃費、動力性能面、価格面のすべての項目でフィットが優勢である。
(価格面の比較にはフィットG:\1,225,000(消費税抜)、デミオ13C-V:\1,247,615(消費税抜)を用いたが、詳細については、"ホンダフィットG VS マツダデミオ13C-V装備&価格比較”を参照方

街の試乗屋のコメント(補足)
今回の新型フィット(G)は、昔ながらの頑固な車好き(街の試乗屋か!?)からすれば、やれステアリングの操作感が軽く路面からのインフォメーションが不足しているなどと憎まれ口の一つもたたきたくなるのだが、いいたい奴には言わせておこうとばかりに新世代のコンパクトカーのあるべき姿を堂々と指し示したといえる。新型フィットは、総じて出来がいいのである。好感度の高いエクステリア&インテリアのデザイン、動力性能向上と低燃費の維持、安心感の格上げが図られた走行性能、新世代のコンパクトカーとしての気持ちのいい乗り味など随所に渾身の努力の跡が感じられるのである。
乗り味について言えば、どこまでも気持ちよく走っていけそうな”さわやか系の味付け”は、なにやら感性が刺激され、昔ながらの車好き(街の試乗屋のこと!?)が好むスポーティな感覚とは別物なのだが、こういう味も悪くはないと認めさせられてしまうほどに、この料理の味付けには新鮮な旨みが感じられたのである。(昨今の日本車の乗り味は、ありきたりのものではなく、味比べが出来るまでに成長してきた感あり!)うまく表現することが難しく想像の域を脱しないのだが、ドライビングに気を使わせることなく如何にその移動過程を楽しませるか!?目的地に到着したあとにさわやかな余韻を残せるか!?といったところに軸足を置き開発されたのではないかと勝手な想いを巡らせると、それなりに新型フィットの性格が浮かび上がってくるのである。
試乗を終えたあと、新型フィットで長距離ドライブに出かけてみたいと素直に思った。それは、今回の新型フィット(G)が持つ快適な移動空間の正体をエコドライブによって確かめてみたいという衝動に駆られたからである。

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