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MAZDA |
Equipment&Spec(マツダアテンザセダンXD L Package VS BMW320d BluePerformance M Sport装備&性能比較) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Jan.2013 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
MAZDA ATENZA SEDAN XD IMPRESSION (マツダアテンザセダンXD 試乗インプレッション) |
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今回試乗した車は、『スカイアクティブテクノロジーが、新次元の”走る歓び”を叶えます。』と謳 新型マツダアテンザには2012-2013日本カーオブザイヤーの栄冠を手にしたCX-5(SUV)に織り込まれたスカイアクティブテクノロジー(クリーンディーゼル2.2、高効率ガソリンエンジン2.0、高効率6速オートマチックトランスミッション、軽量高剛性ボディ、高性能軽量シャシーなど)の集大成として高効率ガソリンエンジン2.5及び高効率6速マニュアルトランスミッションが追加された。 注目すべきクリーンディーゼルエンジン2.2<最大出力175PS/4,500rpm,最大トルク42.8Kg.m/2,000rpm>(試乗車XD L Package(6EC-AT),XD(6MT)に搭載)は、低圧縮化(通常16〜18⇒14)という逆転の発想+さまざまな技術革新によりスムーズでリニアなレスポンスを可能にし、かつNOx(窒素酸化物)を高価な後処理装置無しで、ポスト新長期規制(平成21年排出ガス規制)に適合できるクリーン性能を実現したという。環境面、安全面における技術では、減速エネルギー回生システム「i-ELOOP(アイ・イーループ)」;クルマが減速する際の運動エネルギーで発電した電気をキャパシタに蓄え、即座に再利用出来るシステム(全車標準装備),i-STOP;アイドリングストップ機構(全車標準装備),i-ACTIVSENSE(アイ・アクティブセンス)@低速時の衝突被害を、ブレーキの自動制御で軽減;スマート・シティ・ブレーキ・サポート(SCBS)&AT御発進抑制制御(XD L-Package,25S L-Packageに標準装備)A中高速走行時の衝突被害や、ドライバーの負荷を軽減;スマート・ブレーキ・サポート(SBS)&マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール(MRCC)(XD L-Package,25S L-Packageに標準装備)B車線から逸れそうな時に音で知らせる、車線逸脱警報システム<レーン・デパーチャー・ワーニング・システム(LDWS)>(XD L Package,25S L Packageに標準装備)C安全に配慮しながら、ドライバーの操作を軽減;ハイビーム・コントロール・システム(HBC)(XD L Package,25S L Packageに標準装備)、BASIC SAFETY@DSC(ダイナミック・スタビリティ・コントロールシステム:横滑り防止機構&TCS(トラクション・コントロール・システム)(全車標準装備)ASRSエアバッグシステム運転席&助手席、カーテン&フロントサイド(全車標準装備)、その他、リア・ビークル・モニタリングシステム(RVM)(XD L Package,25S L Packageに標準装備)、アダプティブ・フロント・ライティング・システム(AFS)(XD 6MT,XD L Package,25S L Packageに標準装備)など現時点で考えうるすべてが投入されていると言っていいほどに充実した装備内容である。 用意されるモデルは、セダン,ワゴンで駆動方式は2WD(FF)である。搭載されるエンジンは、ガソリン仕様の2.0Lと2.5L、ディーゼル仕様の2.2Lでトランスミッションは、ガソリン仕様には6EC-AT、ディーゼルには6EC-ATと6MTが用意されている。 ボディカラーは、困難であった鮮やかさ(彩度)と深みを両立した「匠塗 TAKUMINURI」とマツダが謳う『ソウルレッドプレミアムメタリック』を含め、全7色が設定されている。 1.エクステリア 車のプロダクトデザインにおける課題は、ベースとなったデザインをどれだけ取り入れ主張をしっかりと残しバランスを取っていくかである。さてボディカラー『ソウルレッドプレミアムメタリック』を纏った試乗車であるが、第一印象はと言うと堂々たるボディサイズと確かに艶やかなレッドを魅せてくれてはいるが、正直なところ心を大きく揺さぶられるほどの衝撃は受けなかった。サイドビューには3本のキャラクターライン(フロントフェンダー部で弧を描くライン、サイドミラー下より下降しリアドアノブ下までのライン及びフロントサイド下部からリアタイヤに向かってやや上昇するライン)が施されているのであるが、マツダの言う生命感あふれる力強い動きで魅せる「魂動(こどう)-SOUL of MOTION」のデザインとしては、個人的には主張が控えめな印象を受けたのである。昨今の車たちは、フロントマスクでブランド力を主張する傾向にありご他聞に漏れずマツダもそうなのであるが、フロントマスクに目が奪われ、反って主張すべき全体のフォルムが薄まってしまうという矛盾を抱えているように私には見えたのである。 デザインの見え方は、個々人で大いに異なることを承知であくまで私見を述べさせて頂きました。 2.インテリア CX-5のインテリアデザインを基本に各パーツ周りなどにブラッシュアップを施すことによって高級感を演出している。しかしながらこうした共通化の手法は、コストダウンの観点からは有効な手段かもしれないが、アテンザとしての独自性が感じられず、個人的には好まない。 3.シート XD L Packageに装着されていたオフホワイトのパーフォレーションレザーシートは、落ち着いた上質感を醸し出している。体を受け止めてくれるタッチがなかなか良くシートの適度な硬さと相まって心地よい着座感を生み出している。ドライバーズシートは、運転する者の心をリラックスさせ安全なドライビングへと導く重要なアイテムであると思う。そうした観点において、マツダの思い入れが感じられるのである。一点残念なのが、XD 6MT車にはこのパーフォレーションレザーシートが選択できないことである。 4.変速機(6EC-AT&6MT) 6EC-AT車;アクセラ、CX-5と技術を磨きこんでいった集大成が今回の新型アテンザであると思わせる完成度の高さが感じられた。個人的に好みである心地よい変速の節度を決してでしゃばらない形で伝えてくれるのがいい。あくまで私見だが、ただ単に滑らかなだけではドライバーに情報が伝わらず、ドライビングの歓びは生まれないと思うのである。伝達ショックを極限まで抑え、節度感を僅かに残した味付け(マツダの技術者がここまで考えての結果なのか?はたまた結果的に絶妙なフィールとなったのか?は、想像の域を脱しないが)は、誠に心地よく高く評価したい。もう一点付け加えておきたいのがいわゆるキックダウン時の制御のうまさである。ドライバーに不快なショックを与えることなくまさにスイッチング的にシフトダウンを完了させるのである。 6MT車;6MTのストロークは、決してショートではないのだがディーゼルの悠々とした回転感にはよくマッチしていると感じた。気持ち回転落ちがゆったりとしているので、ストロークの長さと繋ぐタイミングが合うのである。シフトの操作感は、かっちりとした剛性感を伴うもので、こうした骨太なフィールは、歓迎である。クラッチは軽すぎず重すぎることもなく丁度良い踏力であり、非常に繋ぎやすいフィールであった。マツダスピードアクセラの様にクラッチを僅かに上げただけで繋がると言うような扱い難さは全くない。 5.アクセルワーク ドライバーのこうしたいと言う意思を込めた踏み込み量に対して、車の加速感がしっかりとリンクしているのである。つまり自由自在なアクセルワークが楽しめると言うかなり理想系に近いフィールということがいえる。低速時からやや踏み込み量を増やし、加速の意思を込めると唐突に加速するのではなく、加速のタンジェントは実に滑らかに感じられるのである。こうした質感の高い加速のさせ方をディーゼルエンジンで実現したことは、賞賛に値する。 6MTの加速フィールについて言うと、2速及び3速で深めにアクセルを開けるとトルクフルで延び感が心地いい滑らかで上質な加速感が味わえ、アクセルを緩めたくない誘惑に駆られるのである。 6.エンジン音 6EC-AT車;始めにウィンドウを全開にし、ブリッピングを試みた時のサウンドは、これディーゼル?という感じの軽快感のあるサウンドを聞かせてくれたが、ウィンドウを全閉にし、低速で走り出すとカチャカチャと僅かにディーゼルであることを知らしめるサウンドが耳に届いた。もう少し押さえ込めればと欲がでるが、かなりのレベルまでディーゼルらしきサウンドは抑えられているといっていい。 6MT車;AT車よりもアイドリング時にカチャカチャとディーゼルらしき音が耳に届いた。しかしながら、AT車では低速度走行時にディーゼルらしきサウンドが気になったが、どちらかと言うとMT車のほうが気にならなかった。MT車では走り出してしまえば、カチャカチャ音は殆ど気にならなかった。MT車の試乗時に特に感じたのが、加速時の力強い硬質なサウンドで、これがなかなか刺激的であった。 7.ブレーキフィール 6EC-AT車、6MT車ともにグッドフィールであった。こうしたコントロール性が良く気持ちのいいブレーキフィールを持った車は、不思議なことに例え煩雑に信号に捕まってもイライラすることが無いのである。これは、気持ちに余裕が出来るからであろう。こうしたコントロール性の良さは、長距離ドライブにおいて、より本領を発揮してくれそうな頼もしさを秘めていると感じた。 8.ステアフィール 絶妙な味である。電動パワーステアリングにもかかわらず非常に自然なタッチであり、リニアな車両の動きが楽しめる。コーナーへとステアリングを切る、車がドライバーの意思を汲み取ったかのような動きをしてくれる。路面との対話が実に楽しいのである。ドライビングの歓びここにあり!だ。これは、ロール量の抑え方が適切だからであり、ロールスピードが速いもしくは量自体が多ければこの味は決して出せないと思うのである。 9.乗り味 19インチをしっかりと履きこなし、何より路面との繋がり感の濃い車であると感じさせる。例え低速度域であっても路面に対する車両の正確な動きがドライバーに伝達されるのでドライビングの歓びが味わえるのである。また凹凸乗り越し時においては、しっかりとサスペンションがストロークし、しなやかさも併せ持っている。 10.コーナリングフィール ステアリングをコーナーに向けて切るという行為(ドライバーの意思)と車が極めて直結していると感じさせるので、車と一体になったコーナリングが自然体で楽しめる。
以下、BMW320d BluePerformance M Sportと外観寸法、動力性能面、価格面及び燃費について比較した。(下表参照)
・JC08モード燃費については僅かにアテンザセダンXD L Packageが優っている。 ・動力性能面については、BMW320d BluePerformance M Sportが馬力当たり重量において僅かに優位だが、トルク当たり重量でアテンザセダンXD L Packageが大きく引き離し、見かけの指標C値においてはアテンザセダンXD L Packageが優位である。 ・価格面の比較(リッター当たり価格)においてもアテンザセダンXD L Packageが優位である。(参考迄) (価格面の比較にはアテンザセダンXD L Package:\3,519,497(消費税抜)、BMW320d BluePerformance M Sport:\5,740,953(消費税抜)を用いたが、詳細については、"マツダアテンザセダンXD L Package VS BMW320d BluePerformance M Sport装備&価格比較 ”を参照方) 街の試乗屋のコメント(補足) ガソリン車のワゴン20S(17インチと19インチ)にも試乗する機会があったので少し触れておくが、XDセダン19インチと比較すると17インチと19インチ共にややロール感を意識させられるところがあった。また19インチではタイヤで受け止めている感じ(タイヤで突っ張っているが、ロール量が多いと意識させられる)が強く、個人的には19インチを履くXDセダンのバランスのとれたドライビングの味が大いに気に入ったのである。さらにXDについて付け加えておきたいのが、6MT仕様における力感溢れるドライビングの味である。試乗する前は、最大トルクを2,000rpmで発生するディーゼルだからマニュアルで操作する意味があるのだろうか?とさえ思っていた。だがそれは完全に間違っていた!シフトをしていく度に訪れる力感溢れる加速感を前に、マツダクリーンディーゼルを6MTでしゃぶり尽くすのも悪くないと感じたのである。 今回の新型アテンザは、マツダが謳うスカイアクティブテクノロジーの集大成と自信を示すとおり完成度が非常に高い。もう少し乗っていたい誘惑に駆られた非常に希な国産車である。
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