今回試乗した車は、排気量が3.0L⇒3.5Lへ拡大したクラウン3.5アスリートである。
走る、曲がる、止まるを律儀にこなす。アイドリングは静か。アクセルを踏み込めば滑らかに力強く(3.0Lよりやや重厚感が出たのは○)加速し、即座に120Km/hに達する。その時のエンジン音は騒々しくない。ステアフィールは穏やかで、角速度を速めた車線変更及び100Km/h程度の中速コーナーなど何事もないかのように仕事をこなす。スポーツシート(ジャカードモケット)の座り心地も悪くはない。乗り心地については、個人的には薄味に感じ不満であるが、一般的な見方をすれば悪いとはいえない。ブレーキフィールについては、3.5L車に採用されている17インチローター+対向4ピストンキャリパーの恩恵もあろうが、以前試乗した3.0Lよりもコントロールし易くなった。だが、トータル的にみて感性が刺激される車ですか?と改めて問われると応えに窮する車なのだ。つまり、ドライバーに訴えかけて来る要素に乏しいのだ。ドライバーが蚊帳の外に置かれているイメージなのだ。クラウンアスリートは、ロイヤルよりも走りを意識した車ではあるが、決して硬派な車に属するわけではない。アクティブに車との対話を楽しむというよりもどちらかというと同乗者との対話に重きが置かれた車と見るべきだろう。逆にいえば、ドライビングに特別な拘りを持たなければ、これほど気楽に同乗者との対話を楽しみながら、市街地を自在に速く駆け抜ける高級セダンは、クラウン3.5アスリートならではの妙味といえよう。
以下、ベンツE350アバンギャルドと外観寸法、動力性能面、価格面及び燃費について比較した。(下表参照)
車種 |
外観寸法 |
動力性能面 |
価格面 |
.燃費
(km/L) |
全長 |
全幅 |
全高 |
A
重量/馬力
(Kg/PS) |
B
重量/トルク
(Kg/Kg.m) |
C
A×B
(Kg2/PS・Kg.m) |
価格/リッター
(¥/L) |
価格/馬力
(¥/PS) |
CROWN 3.5ATHLETE |
4840 |
1780 |
1470 |
5.1 |
42.2 |
215 |
1,287,616 |
14,127 |
10.0 |
BENZ E350 AVANTGARDE |
4820 |
1820 |
1435 |
6.2 |
47.3 |
293 |
2,116,100 |
27,206 |
8.6 |
NOTE)
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1.表記の燃費値はCROWN 3.5ATHLETE;05/10時点、BENZ E350 AVANTGARDE;05/6時点のメーカー公表値
2.燃費値を除く表記の数値はCROWN 3.5ATHLETE;05/10時点、BENZ E350 AVANTGARDE;05/4時点(価格)及び05/6のメーカー公表値を用いた計算値 |
・動力性能面[上表C値(動力性能の一つの指標)を見る限りではクラウン3.5アスリート優勢]、価格面、燃費において数値上ではベンツE350アバンギャルドを凌駕している。(参考迄)
Equipment&Spec
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