Next |
カスタム検索
|
PEUGEOT |
Equipment&Spec(プジョー207GT VS フォルクスワーゲンゴルフTSI 装備&性能比較) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
June.2007 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
PEUGEOT 207GT IMPRESSION (プジョー207GT試乗インプレッション) |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
今回試乗した車は、プジョー207GT(3ドアハッチバック、1.6Lターボ、 5MT)である。 207GTのボディーサイズは、全長4030mm、全幅1750mm、全高1470mmで、206(S16)に対して、全長で+195mm、全幅で+75mm、全高で+30mm拡大された。全長、全高こそ307に及ばないが、全幅では307に対して-10mmと肉薄した。 ちなみに207GTのタイヤサイズは、205/45R17である。 安全面では、6つのエアバッグ(運転席・助手席スマートエアバッグ&サイドエアバッグ、カーテンエアバッグ)とESP(エレクトロニック・スタビリティ・プログラム)を全グレードに標準装備し、ユーロNCAP(ヨーロッパの公的機関が行う衝突安全テスト)における乗員保護部門では最高の5つ星を獲得している。またコーナー内側を照らす固定式ディレクショナル・ヘッドランプがコーナリング時の安全性を高めている。(207GTと5ドアハッチバック・ラグジュアリーバージョンCieloに標準装備) その他嬉しい装備では、開放感溢れるインテリア空間が手に入るプジョー十八番のパノラミック・ガラスルーフを標準装備。(207GTと5ドアハッチバック・ラグジュアリーバージョンCieloに標準装備) 207GTのボディーカラーは、エーゲ・ブルー、ラセルタ・イエロー、ビアンカ・ホワイト、アルミナム・グレー、アデン・レッド、オブシディアン・ブラックの6色が用意されている。 1.エクステリア 切れ長のヘッドランプ、成長したプジョーライオンエンブレム、大きく開いたフロント開口部の左右に配した丸型フォグランプなど、206からというよりもどちらかというと307のデザインコンセプトに近いように感じた。 しかしながら307と比較するとボンネットラインはプジョーライオンに向ってより鋭角となり、そのラインに沿ったヘッドランプは、より鋭さが強調されていると見た。そしてフロント開口部に施されたハニカム形状も功を奏し、307より闊達なイメージに映る。サイドビューは、ドアウインドウラインと同一線上を貫く明確なキャラクターラインがフロントフェンダーからリアハッチゲートウインドウコーナーへと緩やかに傾斜しながら登りつめ、207を精悍で個性的に魅せている。リアビューは、307よりもメリハリのあるプレスラインによってボリューム感が強調され、すわりのいい存在感が感じられるといった印象だ。 まさに、プジョーらしさと207としての個性の演出との力学バランスから生まれたデザインといえるだろう。 2.インテリア インテリアは、曲面で構成されるダッシュボード、センター及び左右のエアコン送風口の形状(よく見られる単一なスクエア形状ではなくデザイン重視の凝った形状)、モーターバイクから着想を得たというメーターパネル<メーターの文字盤(丸型3連)の角度よりもメーターの外側に施されたシルバーの縁取りの角度の方を奥側に傾けている。)など207としての独自色が伝わってくるものだ。装備面では、冒頭にも記したパノラミック・ガラスルーフをはじめ、シートにはホワイトのステッチが入ったブラックレザーにファブリックを使用したハーフレザーシート、左右独立調整式オートエアコン&花粉フィルター(ウィンドウウォッシャー作動時の臭いが室内に侵入するのを防止するために外気取り入れ口を自動的に閉じるシステムを装備、アクティブカーボンフィルターにより花粉、埃、外部の悪臭も除去)、オーディオシステム( MP3 CDの再生可、アンプ50W×4、3パターンのイコライザー)、パフュームディフューザー〈フランスの香水メーカーが調合した7種類のパフューム(別売)を楽しめる。〉など意外に装備の充実度は高い。 (上記装備内容については、2007年3月現在のカタログより抜粋) 3.シート 着座感がしっかりと感じられるシートである。体の収まりがよく、かつ、着座していることが心地いいシートだ。GTという名の通り長距離ドライブもこなせそうである。 4.変速機(5MT) 長めに感じるシフトストロークはプジョーシトロエングループの車の常だと皮肉を言いたくなるほどにこのフィールは変わらない。だが、シフトワークには余計な力は一切不要で、シフトフィールは、緩く優しい。一点気になるのがギヤ比で、1速⇒2速のギヤ比が離れすぎ(1速が低すぎか?)で扱い難いと感じる。全体的にスポーティーなシフトワークの意味合いが薄れている印象をもったのである。こういったフィールは、スポーティー感を削ぐ結果となっている。207GTのキャラを理解したシフトワークを心がける必要がありそうだ。 クラッチは、一切踏力が不要と感じさせるほどに軽い。 5.アクセルワーク アクセルの踏み込み量に対して、鋭く立ち上がるといったフィールではない。ターボは、1400rpmと極低回転から効いてきてアクセルワークに対して緩やかに過給していく感じだ。そのためアクセルをゆっくりと操作している限りにおいては、ターボを意識することはほとんどない。 アクセルを意識して深めに踏み込むとターボであることが分かるが、それとて急激な加速のタンジェントを感じさせるものではなく、その振る舞いはあくまでジェントルである。 6.エンジン音 静粛性に気を使っていることが窺えるもので、耳に届くエンジン音にはやさしさが感じられるほどだ。ターボ車であることを知らせるタービンの音など一切聞こえない。高回転時にはエンジンの存在を知らせはするが、実に躾けがよく控えめである。 7.ブレーキフィール ややノーズダイブが感じられるので、少し強めのブレーキングを行うと姿勢変化が大きくあまり好ましいフィールとはいえない。 8.ステアフィール 実は、207GTにはディーラーを巡り2回試乗したのだが1度目の車両では中立付近が重めのフィール、2度目では中立付近の重さをことさらに意識することはなかった。(何れも速度域は同等の低速時) 電動パワステのフィールは、モータのフリクショントルクに依存するわけだからそのばらつきによるものか?少し気になった。 角速度を速めたときの車両のつきは、すっきりとしたスポーティー感がありズバッとした鋭い切れ味とは異なるが、まさに丁度いい湯加減のステアリングレスポンスであり不思議な楽しさが残るフィールなのである。 9.コーナリングフィール 試乗コースにある故意に凹凸を設けた中速コーナーを約70Km/h(若干今回低かった!?)で走行してみたが、凹凸の存在を感じさせ硬さを意識するものの、足はまろやかに動き、ショックの角は丸められているし、この程度の速度域であればトレース性に全く不安がない。以前406Sportでも同じコースを走行したことがあるのだが、406Sportには硬いというフィールが一切感じられず、路面を舐めるような走行フィールは、まさに元祖猫足だったが、こういった凹凸路においては足がバタツキ速度を速めていくとタイヤのポテンシャルもあったとは思うが、アンダーが露呈したことを思い出した。 街中の小さいコーナーを約40Km/h程度でクリヤーしていくフィールは、ぐらっと傾く柔なところがなく、しっかりとコーナーをクリアーして行く。 10.乗り味 207GTの乗り味は、やや硬質でしっかり感が備わったもので、406の元祖猫足とは異なるフィールではあるが、前述したように凹凸を露骨に伝えるものではなく、うまく丸めてドライバーに伝達させようとしているのである。凹凸の少ない一般舗装路では、極めてなめらかな走行フィールが味わえる。
以下、フォルクスワーゲンゴルフTSIと外観寸法、動力性能面、価格面及び燃費について比較した。(下表参照)
・燃費は、プジョー207GTの方がフォルクスワーゲンゴルフTSIよりも10%劣る。 ・動力性能面[上表C値(動力性能の一つの指標)ではプジョー207GT優勢]、価格面において、数値上ではフォルクスワーゲンゴルフTSIを凌駕している。(参考迄) (余計な補足をしておくが、エンジンの吹け上がり感はフォルクスワーゲンTSIに軍配が上がる。両者のエンジンフィールは、全く異なるといっていい。) 街の試乗屋のコメント(補足) BMWの1.6リッターターボエンジンは、吹け上がり時の刺激性があまりにもスポイルされているように感じて、どうも個人的には好きになれないのである。新型ミニクーパーSにも試乗したが、パワーは175PSと引き上げられているわけだが、こちらも刺激的といった感じは受けなかった。どうもアクセルワークと直結したリニア感にかけているように思うのである。(ターボだからという声が聞こえてきそうだが、あえて否定しておきたい。) 個人的にはパワーの絶対値、ターボやらスーパーチャージャーといった過給機云々を抜きにアクセルワークにリニアにレスポンスしてくれるエンジンが理屈ぬきにいいのである。 個人的にはプジョーでは307CC S16に搭載されている2.0リッターエンジンのアクセルを深々と踏みつけたときのリニアで澄み切った吹け上がり感が魅力的だと感じている。(街の試乗屋の個人的情感!?) 207GTはドアの締まり音もカチッとし、文字通りボディ剛性も上がり急なハンドル操作にもビビッとな反応を示す車へと進化したことは間違いない。言葉だけでは語れないどこか楽しいプジョー独自のドライビングプレジャーを忘れたわけではない。だが、街中をやんちゃに転がすといったアクティブなドライビングはちょっと似合わない。 さて、プジョー207GTを総括すると如何なる車だといえるのか? 新たにGTの称号が与えられたことに敬意を表して言えば、プジョー207GTのおおらかな優しさを感じながら、ゆったりとした気持ちをもってロングドライブを楽しむ車と言えそうだ。 要は、おおらかな性格の方にお勧めしたい車であって、恥ずかしながら小生のようにカリカリとした性格の人間には不釣合いの車のようである。 Equipment&Spec(プジョー207GT VS フォルクスワーゲンゴルフTSI 装備&性能比較)
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
このページの先頭に戻る | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Copyright(C)2007私は、街の試乗屋さんAll rights reserved |