Copenは、2002年6月に登場。他車とは一線を画した独自性により2年経過した今もまったく鮮度は
落ちていない。基本グレードは、アルミ製のルーフを電動開閉できるアクティブトップと樹脂製着脱式ルーフで30Kgの軽量化を図ったディタッチャブルトップの2グレードである。ディタッチャブルトップ車は、スポーツパック(アクティブトップ車;オプション);スプリングレートとダンパーを引き締めたスペシャルチューンドサスペンション,車両剛性強化の為のリヤパフォーマンスブレース,サイドデカール(CopenS)が標準装備となり、軽量化と相まってダイハツのCopenへの熱き思いを窺い知ることが出来る仕様となっている。ほかにアクティブトップ車にはレカロシート,MOMO製本革ステアリングホイール,プロジェクター式ディスチャージヘッドランプで武装したCopen誕生2周年記念:特別仕様車“2ndANNIVERSARY
EDITION”とタンカラー・レザーシート&ドアトリム、MOMO製ウッド&レザーステアリングホイールを装備した特別仕様車“TAN LEATHER
EDITION”もある。ミッションは、5MT(専用クロスレシオ化,シフトストローク;従来車比20%ショート化)と4AT(マニュアル感覚での操作が楽しめるスーパーアクティブシフト付)である。5MT車にはフロントスーパーLSDがオプションで用意されている。
さてエクステリアを眺めていると子供の頃遊んだ足踏み式のおもちゃの車・・もちろんオープンカーだったわけだが、Copenと妙に重なり合うのだ。とにかくメルヘンチックで愛らしい。DAIHATSUさんは、『最小のボディーに、最大の夢を』との思いをCopenに込めたとのことだが、小さいから夢も高密度にぎゅっと詰め込まれている感じだ。この感覚が遊び心を擽る。
インテリアについては、飛びぬけた演出が隠されているというわけではないが、エクステリアと同様にスペースが限られていることが逆に功を奏してスポーツ心がしっかりと凝縮されている心地よい雰囲気を味わうことが出来る。こうしたCopenのエクステリア&インテリアに触れていると「邪悪」とは無縁な「純粋ないたずらっ子」の気分が蘇ってくるような気がする。又、フロントメッシュグリル、フロントロアスカート、リヤロアスカート、サイドエアロスパッツ、リヤスポイラー、ヒートガード、アルミスカッフプレート、フューエルリッドガーニッシュ、アルミシフトノブ、天然目ウッドシフトノブ、アルミペダル、本革巻きパーキングレバー、MOMO製ウッド&レザーステアリングホイール他、アクセサリーが豊富で、個々人の趣向に合わせたアレンジも可能だ。(予算に合わせてコツコツと作り上げていくのも楽しそうだ。)
ここで電動アクティブトップについて簡単にふれておくが、ルーフオープン時には室内の左右2箇所にあるルーフロックを解除、開閉スイッチONにより約20秒(カタログ値)で完了する。カタログには約20秒と謳っているが体感的にはかなりスピーディーで、動きに対してイライラすることもなかった。
車両本体価格(消費税抜き)は、下表の通りである。
(2004年6月現在メーカー公表価格)
ルーフ形状 |
グレード |
ミッション |
車両本体価格
(消費税抜き) |
ACTIVE
TOP |
標準 |
5MT |
\1,498,000 |
4AT |
\1,498,000 |
TAN
LETHER
EDITION |
5MT |
\1,658,000 |
4AT |
\1,658,000 |
2nd
ANNIVERSARY
EDITION |
5MT |
\1,698,000 |
4AT |
\1,698,000 |
DETACHABLE
TOP |
標準 |
5MT |
\1,498,000 |
4AT |
\1,498,000 |
この価格を高いと思うか?安いと思うか?は、Copenに秘められた付加価値を認めたユーザーの方々自身がどのように査定するかに委ねられているといえる。(Copenを単なる軽自動車と捉えてしまう向きには、理解し難い高価格車と見られるだろう。)
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ROAD IMPRESSION
試乗車は、アクティブトップ標準仕様車でミッションは4速AT(アクティブシフト付)である。
試乗する前の気持ちを正直に言えば、軽自動車のCopenに試乗するというイメージを抱いていた。それが着座しただけでこの気持ちは簡単に覆されてしまった。というのもシートの硬さが実にうまく調整されていて適度に下から受け止めてくれている感覚を伴う極めて良好なすわり心地を提供していたからだ。この感覚は、上質なスポーツカーと比肩するほどだ。営業の方にお聞きしたのだがこのシートは、自社開発品とのことで、ダイハツの力の入れようが素直に伝わってきた。
アクセルを軽く開けて試乗コースへ出た。もう一つの驚きは、僅かなアクセル開度に対してトルクがついてくるので発進時のもたつき感がまったく感じられなかったことだ。そして排気音が実にうまくチューニングされていてアクセル開度に合わせて重厚感(軽ではないこれは、重だ!)を感じさせるエキゾーストノートを聞かせてくれる。けっしてずば抜けた加速感を伴うものではないのだが、良質なシート&心地よいエキゾーストノートを感じながらCopenを転がしている気分は、スケールダウンした空間だからこそ味わえる格別のものだといえる。
ステアリングインフォメーションであるが、路面との対話感もびしびしではないが適度に手の平に伝わってきて楽しめる。ステアリングレスポンスは、穏やかで切った分だけ素直な反応を示し、ごく自然だ。個人的にはもう少しクイックなステア特性を求めたいところだが、穏やかにのびのびと車を流してゆくというように考えれば、このステア特性は、Copenの性格をよく反映しているとも言える。
乗り味については、はっきりと硬いと感じるし凹凸があると飛び跳ねるような印象ではあるが、路面との接地感を保とうという努力が感じられる仕上がりだ。凹凸のいなしもなんとか角を取って丸くしようとしている感じだ。剛性への配慮が感じ取れることも付け加えておきたい。個人的には、何ら不満はないのだが一般的にはただ単に硬いという印象を持たれてしまうかもしれない。
コーナリングであるが、素直なハンドリングと硬めな足によってしっかり感のあるコーナリングが楽しめる。また例え低い速度域であってもワクワクしたコーナリングが楽しめるのもCopenならではの魅力だ。Copenで目くじらをたててコーナーを攻める姿は、似合わない。
ブレーキについては、通常の市街地走行において扱いやすく不満はなかった。
4速ATのアクティブシフトについてだが、シフト操作によるレスポンスは意外に鋭く、トルコンのすべり感をうまく処理していて完成度は高いと感じた。
最後にCopenに試乗してみてよかったと心からおもう。なぜならば、試乗したことによってCopen=軽自動車という図式が完全に崩れたからだ。車はやはり試乗しなければわからない。
Copenは、限られた空間の中に最大限のドライビングの喜びを高密度に詰め込んだ車であった。
この限られた空間がもたらす面白さは、これは極端な表現かもしれないがスケールダウンしたラジコンカーに自分が乗り込み操縦している感覚だろうか?外から見ていると驚くほどの速度でも挙動でもないかもしれないが、スケールダウンされた車のコクピットではスケールと逆比例した世界が繰り広げられていることは誰しも想像がつくと思う。
このスケールダウンゆえにもたらされるCopenだけの不思議な世界、『私は、街の試乗屋さん』としてお勧めの一台である。
P.S)初めてお訪ねしたダイハツのお店でしたが、ご親切に対応いただきありがとうございました。
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