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Toppage/comparison index | Mar.2005 | ||
ベリーサ VS ティーダ |
*総合評価先頭へ エクステリア/インテリア/広さ/安全装備/環境/プライス/乗車定員/最小回転半径/シート/変速機/アクセル/エンジン/ ブレーキ/ステアフィール/乗り味/動力性能/運動性能/ブランド力/新技術 |
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No. | 評価項目 | 車名 | |||||||
MAZDA VERISA(1.5L) Dress Up&Leather Package |
NISSAN TIIDA 15M(1.5L) |
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1. | エクステリア ↑topへ |
コメント | |||||||
デミオに対して全長+50mm、全幅+15mmのボディーを与えられたベリーサのフォルムは、オーソドックスなデミオのエクステリアを大きく逸脱するものではなく、魅力に欠けている。特に腰高に見えてしまうサイドビューは、寂しい。唯一フロントマスクがファニーである点が面白いが、女性受けを狙った策が見え透いているような気がする。トータル的にお洒落とはいえない。デミオベースゆえの制約とはいえもう一歩スタイリングへの拘りが欲しかった。 | ティーダのフロントマスクは、ルノー顔で、日産独自の顔が見えない。しかしながら、全体のフォルムは、欧州の風を感じるデザインに仕上がっており、スタイリッシュでさわやかな印象だ。ベリーサの全高比+5mmを全く感じさせないティーダのサイドビューは、ベリーサには分が悪い。これはベリーサに対して全長が230mm長く、Aピラーの傾斜角度が深いことが功を奏している。 |
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判定 | ー | ○ | |||||||
2. | インテリア ↑topへ |
コメント | |||||||
試乗した車は、レザーパッケージ仕様車でハーフレザーシート、ウッド調レザーステアリング、ウッド調センターサイドパネルが奢られている。センターのシルバーの操作パネルが妙に幅を利かせておりトータルバランスを損ねていると感じる。ウッド調の演出(&シートの色調)は、やや渋すぎで、購入層を狭めてしまう恐れがある。ブラックアウトメーターは高級感の演出に一役かっている。 | インテリアもまたエクステリア同様にさらっとしたさわやか系の高級感を感じさせてくれる仕上がりだ。特に取り立ててこの部位が高級なんだと訴えてくるわけではないが、トータル的にみた居心地のよさを提供してくれる。かりかりした日常を癒してくれそうだ。注意深く見ると、各パーツの形状、表面の質感、カラーリング、パーツ間のクリアランスなど作り手の気配りが感じられる。 | ||||||||
判定 | ー | ○ | |||||||
3. | 広さ ↑topへ |
a室内長,b全幅,c全高 | 1890/1400/1275 | 2035/1390/1240 | |||||
a×b×c (m3) | 3.4 | 3.5 | |||||||
判定 | △ | ○ | |||||||
4. | 安全装備 ↑topへ |
エアーバック装着状況 | ・運転席&助手席SRSエアバック:標準装備 ・SRSカーテンシールド&サイドエアバック:オプション |
・運転席&助手席SRSエアバック:標準装備 ・SRSカーテンシールド&サイドエアバック:オプション |
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判定 | △ | △ | |||||||
シート等への配慮 | ・フロントELR付3点式シートベルト(プリテンショナー&ロードリミッター機構付):標準装備 ・フロントシートベルトアンカーアジャスター:標準装備 ・リヤALR機構(チャイルドシート固定機構)付ELR付3点式シートベルト(左右席、中央は2点式):標準装備 ・ISOFIX対応チャイルドシート固定専用バー+トップテザーアンカー:標準装備 ・頚部衝撃緩和フロントシート:標準装備 |
・前席ELR付3点式シートベルト(運転席・助手席2ステージロードリミッター付プリテンショナーシートベルト):標準装備 ・運転席ダブルプリテンショナーシートベルト(肩ベルト部&腰部):標準装備 ・前後上下調整式シートベルトアンカー:標準装備 ・後席ELR付3点式シートベルト(左右):標準装備 ・チャイルドシート固定機構付シートベルト(後席左右):標準装備 ・前席アクティブヘッドレスト:標準装備 |
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判定 | △ (運転席・助手席2ステージロードリミッター及び運転席ダブルプリテンショナー機構なし) |
△ (ISOFIX対応チャイルドシート固定専用バー+トップテザーアンカー設定なし) |
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DSC(緊急時姿勢制御)等 | オプション | 設定なし | |||||||
判定 | △ | ー | |||||||
ABS+EBD等 | 標準装備 | 標準装備 | |||||||
判定 | ○ | ○ | |||||||
ブレーキアシスト | 標準装備 | 標準装備 | |||||||
判定 | ○ | ○ | |||||||
レーンキープ、衝突時ブレーキ補助装置等 | なし | なし | |||||||
判定 | ー | ー | |||||||
その他 | ・クラッシャブルブレーキペダル:標準装備 ・頭部衝撃緩和インテリア:標準装備 ・プロジェクターヘッドランプ:標準装備 ・ディスチャージヘッドライト(レベリング機構付):オプション ・フロントフォグランプ:標準装備 |
・ステアリングコラムコラプス:標準装備 ・ブレーキペダル後退抑制機構:標準装備 ・前席足元衝撃吸収パッド:標準装備 ・マルチリフレクターハロゲンヘッドランプ:標準装備 ・キセノンヘッドランプ(ロービーム、レベライザー付):オプション ・オートライトシステム:標準装備 ・バンパー組込ハロゲンフォグランプ:オプション(15G標準装備) ・歩行者傷害軽減ボディー:標準装備 |
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判定 | ー (歩行者傷害軽減ボディー、ステアリングコラムコラプス、オートライトシステムなど設定なし) |
○ (衝撃吸収ソフトインテリアはカタログに記載していないが、他の装備の充実度で優位と判定) |
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5. | 環境 ↑topへ |
排気ガス規制値は? | 平成17年基準排出ガス75%低減 (低排出ガス車) |
平成17年基準排出ガス75%低減 (低排出ガス車) |
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判定 | ○ | ○ | |||||||
燃費は?(10.15モード) | 16.8 | 18.2 | |||||||
判定(ウェート付け:×2) | ー | ○×2 | |||||||
平成22年度燃費基準? | +5%達成車 | +5%達成車 | |||||||
判定(ウェート付け:×2) | ○×2 | ○×2 | |||||||
6. | プライス (注1参照) ↑topへ |
リッター当たり価格(K\) | 1272 | 1327 | |||||
判定(ウェート付け:×3) | ○×3 | - | |||||||
馬力当たり価格(\) | 16,858 | 18,239 | |||||||
判定(ウェート付け:×3) | ○×3 | - | |||||||
7. | 乗車定員 ↑topへ |
何名 | 5 | 5 | |||||
判定 | ○ | ○ | |||||||
8. | 最小回転半径 ↑topへ |
(m) | 4.9 | 5.2 | |||||
判定 | ○ | - | |||||||
9. | シート ↑topへ |
着座感 | フロントシートは着座してすぐに硬めと分かる。このシートには恐らくVOLVOの技術が入っていると推測する。だが、この硬めのシートがロングドライブに向いていると理解できない人にとっては、マイナスだ。説明を要するだろう。だがリヤのシートはフロントの硬さとはまったく逆でソフトな感触に仕上げてあり、矛盾が生じている。 | ドライバーズシートの着座感は、ベリーサとは異なるものでやや沈み込むソフトな感触ではあるが適度な反力を伴う張りのあるシートで着座感は悪くない。(直感だがロングドライブもこなせそうだ。)リアシートもベリーサとは逆でフロントに比べてやや硬めな印象を受けた。 | |||||
サイドサポート感 | 特筆すべきことはない。 | 特筆すべきことはない。 | |||||||
判定 | △(ソフトなリヤシート?) | ○ | |||||||
10. | 変速機 ↑topへ |
AT | トルコン | コメント | アテンザ、デミオ、アクセラ23Sで味わったマツダの4速ATは、変速ショックが極めて少なく好感が持てたが、このベリーサの4ATも同様の感触を得た。 | - | |||
判定 | △(しかしながら対CVTでは不利) | - | |||||||
ロボットMT | コメント | - | - | ||||||
判定 | - | - | |||||||
CVT | コメント | - | アクセルと連動して非常にスムーズな加速感を与えてくれる。 停止間際にベルトが解放されるいやみな回転音もない。ベルト駆動ということを意識することがない出来のよさ。 |
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判定 | - | ○ | |||||||
MT | コメント | - | - | ||||||
判定 | - | - | |||||||
11. | アクセル ↑topへ |
アクセルワークに対するレスポンス | 僅かなアクセル開度に対して実に軽やかに加速する。もたもたした感じが無いので市街地走行における発進加速及び減速後の加速においても余計な気を使うことはなくスムーズなドライビングが可能だ。 | アクセル開度に忠実な加速が得られる。これはCVTの出来のよさもあろうが、加速感は極めてダイレクトだ。もちろん極端に鋭い加速感ではないが、必要にして充分な加速力がスムーズに手に入るのだ。 | |||||
判定 | △ | ○ (ダイレクトな味を評価) |
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12. | エンジン ↑topへ |
吹け上がりのフィーリング | トルクが下からついてくる感じで自然な吹き上がりだ。 | 軽快かつトルクフルな印象だ。 | |||||
排気音、振動等 | 極普通、嫌味なし。 | 極普通、嫌味なし。 | |||||||
判定 | △ | ○ (トルクフルな面を評価) |
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13. | ブレーキ ↑topへ |
ブレーキフィーリング | 特筆すべきところは無いが、市街地走行におけるブレーキングに不満は覚えなかった。 | ペダル踏力に対してコントロールし易く、しっかり感もある。 | |||||
判定 | ○ | ○ | |||||||
14. | ステアフィール ↑topへ |
ステアフィール | ハンドリングは、素直で、すべてに穏やかなセッティングだ。車線変更においても唐突に反応することはなく、万人向けで安心感は高い。ハンドリング自体を楽しみたい向きにはやや物足りないと感じさせるだろう。 | ソフトタッチだが極端に軽くは無く、精緻な印象もある。切リ角に対するレスポンスは、鋭くはないが、ゆったりと走行させるには実にいい。但し、ある程度車速が上がった(約80q/h以上)ところでは、適度に手ごたえがありスポーティーなドライブフィールを与えてくれる。ここが、ベリーサとは異なる味だ。 | |||||
判定 | △ | ○ (適度にスポーティー) |
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15. | 乗り味 ↑topへ |
乗り心地全般 | 硬めのシートと硬質感を伴う乗り味は、欧州的であり、ティーダとはアプローチが異なる。この硬めの感覚がおきに召さない向きには、不向きな車ということになる。 但し、長距離を移動することを想像した場合にベリーサのこうした硬めのセッティングは、個人的には嫌いではない。メーカーは、ベリーサの乗り味を多くの人に認知してもらう為にも一泊2日程度の貸し出し試乗を企画するべきだ。 |
着座して肩を左右に揺するとソフトだと感じるのだが、走行フィールは、ソフトな中に適度な反力、これは極端ではない節度感としてドライバーに気持ちよく伝達される。これが、ドライブフィールに高級感を与えていると思う。 ティーダは微妙だが、感性系に訴える乗り味を提供していると思う。バネ下は、よく仕事をしており、ただ単になめらかではない仕掛けを感じるのである。 |
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判定 | △ | ○ (乗り味を工夫している?!と感じさせるところを評価) |
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16. | *動力性能 ↑topへ |
a.馬力当たり重量(Kg/PS) | 9.73 | 10.46 | |||||
b.トルク当たり重量(Kg/Kg.m) | 76.92 | 75.5 | |||||||
a×b(Kg2/PS.Kg.m) | 748 | 790 | |||||||
判定 | ○ | ー | |||||||
17. | *運動性能 ↑topへ |
ホイールベース/全長 | 0.63 | 0.62 | |||||
判定 | ○ | - | |||||||
トレッド/ホイールベース | 0.59 | 0.57 | |||||||
判定 | ○ | △ | |||||||
車軸センター〜ルーフ迄/トレッド | 0.84 | 0.83 | |||||||
判定 | △ | ○ | |||||||
18. | ブランド力 ↑topへ |
コメント | MAZDAといえばロータリーエンジンだ。試行錯誤の末に1967年、ロータリーエンジンを搭載した世界初の市販乗用車“マツダコスモスポーツ”を世に送り出した。 その後RX-7:FCシリーズ、RX-7:FDシリーズを経て2003年4月マツダの技術屋さんの執念によってその技術はRX-8へと昇華した。 ブランドイメージは、ロータリーエンジン=MAZDA→優れた技術屋集団。 もう一つのブランドイメージは、スポーツカーのMAZDAだ。 スポーツカー=MAZDA→走りの楽しさを提供してくれるメーカー。 ユーノスロードスター(&ロードスター)は、「2人乗り小型オープンスポーツカー生産台数世界一」としてギネス記録に認定されているのだ。 |
『ダットサン・サニー、ダットサン・ブルーバード、プリンス・スカイライン、セドリック&グロリア、シーマ、マーチ、プレジデントそしてダットサン・フェアレディー&フェアレディーZ。』日産のブランドは、車名に宿ると以前申し上げたが、ブランド新旧交代劇における重要なポイントだ。課題は、新旧ブランドを如何に融合、発展させ、新たな日産ブランドとして再構築していくかであったが、この点でZは見事なブランド復活劇を見せてくれた。一方で周知の通り日産は、夫々の時代の中で戦士として日産ブランドを支えてきた車名に拘ることなく新たなアプローチによる車創りを進めている。 『Shift The Future』、今後のシフトの舵取りに注目だ。 |
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判定 | △ | ○ (日産の勢いを評価) |
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19. | 新技術 ↑topへ |
どのような新技術? (標準装備の主たる新技術のみを抽出) |
特になし | ・HR15DEエンジン(本体をオールアルミ化するとともに、吸排気効率を高める前方吸気、後方排気のシステムを採用) ・エクストロニックCVT(フリクションの低減とレンジのワイド化によって燃費を向上、エンジンとの協調制御などでスムーズな変速レスポンスと力強い走りを実現) ・リバウンドスプリング内蔵ダンパー(カーブなどでキャビンの浮き上がりを抑え、安定した車両姿勢を維持) |
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判定 | ー | ○ | |||||||
総合評価 ↑topへ |
判定合計(○の合計) | 17 | 22 | ||||||
コメント | MAZDA VERISA(1.5L) Dress Up&Leather Package |
NISSAN TIIDA 15M(1.5L) |
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個人的には、エクステリア&インテリアともに今一つ洗練度に欠けるかなという印象をもっているが、コンパクトカーに上質感を持たせるという発想を他社に先駆けて具現化し、市場に投入した心意気は評価したい。 この車の乗り味の特徴は、硬めのドライバーズシートと硬質感を伴った乗り心地に欧州的な味を感じる点だ。これが長距離走行に対してベターと考える日本人は、やはり少ないような気がする。こういった点では、もう一工夫必要だ。しかしながらあくまで私見だが、このベリーサでゆったりとロングドライブに出かけても悪くは無いと思わせる乗り味を感じたことを報告しておきたい。また、ハンドリングは穏やかなレスポンスで路面との対話感も適度であるため疲労感が少ない点もロングドライブには有効と思う。総じて悪い車ではないが魅力的とは言えない。 |
ベリーサがどちらかというと落ち着いたしっくな高級感を演出しようとしたのに対して、ティーダの場合は、エクステリアもインテリアもさらっとした高級感をうまく演出していて明るくはつらつとしたものを感じさせる。個人的には、ティーダのアプローチの方が新鮮で好感が持てる。 このティーダの乗り味は、基本的にはソフトなのだが、ただ単にフワフワで節度感を忘れたものにしなかった点を高く評価したい。乗り味のところでも述べたが、ドライブフィールに高級感を与えている仕掛けを感じさせてくれるところにティーダの技術的努力を見ることが出来る。 また、新型エンジンとエクストロニックCVTの相性もよく、加速フィールは、心地いい。 ティーダは、ベリーサにはない心地よさとさわやかさを持ち合わせていることは確かなことだ。 |
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総合判定 | 劣 |
優 (エクステリア、インテリア、変速機燃費、ドライブフィールなど) |
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*カタログ値を用いた計算値
注1)プライスの比較計算に当たっては、”ベリーサカタログセレクションモデル”から”2WD車中、最も装備面での充実を図った最上位モデル<車両本体価格(消費税抜き):¥1,905,000>を選定し、ティーダと比較した。 ティーダについては、出来る限りベリーサの装備とあわせる為に15Gグレードにオプション追加という形で比較した。(15Mではハーフレザーシート&本革巻き3本スポークステアリングの設定が無い為) <ティーダ15Gに追加したオプション装備> インテリジェントキー、イモビライザー、ステアリングスイッチ、バックビューモニター、サイドブラインドモニター、カーウィングス対応TV/ナビゲーションシステム(DVD方式)、MD・CD一体AM/FM電子チューナーラジオ、撥水フロントガラス&フロントドアガラス、チタンクリアドアミラー(ヒーターなしドアミラー用)、花粉フィルター オプショントータル価格(消費税抜き):¥348,000 ティーダ15G車両本体価格(消費税抜き):¥1,640,000 15Gの車両本体価格+オプション価格(消費税抜き):¥1,988,000 尚、以下の主たる装備については、ベリーサ、ティーダ固有の装備となるので購入時には比較検討すべきであろう。 ベリーサ ・ミュージックHDD(3000曲収録可能) ・メイクアップミラー&照明付アッパーグローブボックス ティーダ ・オートライトシステム ・サイドブラインドモニター
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