“World Prestige”LEXUS ES300、日本名WINDOMは、LEXUSブランドを背負い、まさにその威信をかけ
て『あくなき完璧さの追求』を旗印に品質，高級感，満足度のすべてにおいてその使命を達成すべく開発された車である。
さて、エクステリアであるが、 全長4865mm、全幅1810mm、全高1455mmは、トヨタのFFビッグセダンプロナードと比較すると夫々-30mm,-10mm,-5mmと肉薄しており、堂々とした存在感のあるボディーサイズとなっている。
PEUGEOTをも凌駕する！？いや失礼、エスティマをも凌駕する！？大きく切れ上がったヘッドライト廻り、そして、テールランプカバーをボディーサイドまで大きく回り込ませている造形は、夫々に躍動感を感じさせるデザインだ。又、ディスチャージヘッドライトの放つブルー光は、WINDOMのフロントビューをよりお洒落に演出する効果がある。
ビックサイズのボディーを躍動感のある引き締まったプロポーションに仕上げたデザインは、なかなか魅力的である。
インテリアは、DVDナビゲーション＆オーディオが装着されているセンターパネルが曲面で構成されており、アクティブな印象だ。
メータ類は、視認性の良いオプティトロンメータで左から水温、燃料、センターに丸型スピードメータ、丸型タコメータが並ぶ。オーソドックスな造形ではあるが、独立３眼メータは、ドライバーズカーとしては好ましい。
ここで安全面とセキュリティーに関する装備についてふれておきたい。
安全面では、運転席＆助手席にエアーバックとサイドエアーバツク、前後席にカーテンシールドエアーバックが全グレード標準装備となっており、セキュリティ面では、エンジンイモビライザーシステムが同じく全グレード標準装備で欧州車に引けを取らない装備の積極的採用は、大変好感が持てる。
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ROAD IMPRESSION
アイドリング時の音、振動は皆無といっていい。
アクセルを僅かに踏み込むとその意志通りにでしゃばることなくWINDOM3.0Gは、ゆっくりと動き出した。
アクセル開度に忠実であり、ディーラー内で少し動かしただけでこの車の気持ち良さを感じ取ることが出来た。
試乗コースへ出てからも、アクセル開度に忠実に滑らかにリニアに吹けあがっていくエンジンの気持ちよさには感動さえ覚える。これは、AT並びにエンジン制御系のコントロールが相互に織り成す絶妙な結果であろう。そして乗り心地は、極めてフラット感の高いもので『しっとり』という表現がぴったりかもしれない。これは、Ｈ∞（インフィニティ）-TEMSの恩恵か。もちろんコーナーに無茶なスピードで突っ込んだ場合の挙動であるとか、急激なアクセルのON,OFF時のレスポンスは、もちろん今回の試乗の範囲では分からないが、高級車を良識の範囲内でドライブする場合の気持ちよさは、私が保障する。
以前のトヨタ車に多く見られたブレ-キング時のノーズダイブは、あくまで常識的な速度からでの評価になるが、この車からは感じられなかった。恐らく意識して改善していると思う。
この試乗レポートには文句一つ書いてないので、きっとこれを書いた人はトヨタ好きと思われては、迷惑だと言う変な言い訳をしなければならないほど高級車を銘打って出してくる最近のトヨタ車は、まさに高級車を追求したものとなっているのである。
私は、ブレビスの試乗レポートにアクセル開度に応じたリニアな加速感こそ高級車の証と書いたが、この条件が、WINDOMにもきちんと横展開されているところがトヨタの素晴らしいところである。
さらに言うならば、WINDOMは、FF V6、BREVISは、FR 直6であるから単純にはいかなかったであろう技術屋さんの並々ならぬ苦労があったと推察する。
高級車と呼ばれる条件は、昨今、大変厳しいものとなった。ただ単に木目調のインテリアというだけではもはや世間では、笑われてしまう。トヨタの偉いところは、高級車のあるべき姿を模索し、高級車の一つの指標としてセルシオを世に送り出したことで、自らに更なる難題を課し、それを不断の努力によって大いなる飛躍へと繋げていくすさまじい企業魂である。そして、このWINDOMも又、トヨタの脈々と流れるフィロソフィーを忠実に受け継ぎ開発された車といってよいのではないか。豊田 喜一郎が自動織機から全くの未知の分野であった自動車を作りあげた、そのすさまじい技術屋魂をふと思い出した。
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