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NISSAN |
Equipment&Spec(日産V36スカイライン TypeSP VS レクサスIS350 VersionS装備&性能比較) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Dec.2006 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
NISSAN V36SKYLINE IMPRESSION (日産V36スカイライン試乗インプレッション) |
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今回試乗した車は、V35型からV36型へと駒を進めたその進化ぶりが大いに気になる日産V36新型スカ
グレードは、250GT、250GT(TypeP&TypeV)、350GT(TypeSP,TypeP,TypeS)及び250GT FOUR、250GT FOUR(TypeP&TypeV)が用意されている。試乗したグレードは、トップグレードに位置する350GT TypeSP(4WAS〈4WHEEL ACTIVE STEER〉無)と350GT TypeS(4WAS有)である。 350GTに搭載されるエンジンは、”燃焼の効率化のためにフリクションの低減を極限まで求めた”と謳う新型VQエンジン(型式VQ35HR)で、最高出力;315PS/6800rpm、最大トルク;36.5Kg.m/4800rpmを発生する。350GT TypeSP&TypeSにはフロント225/50R18、リヤ245/45R18、クロームカラーコートが施された軽量アルミホイール、スポーツチューンドサスペンション、φ330大径ローター(フロント&リヤ)採用スポーツチューンドブレーキが奢られ戦闘能力が高められている。 安全装備面では、前席緊急ブレーキ感応型プリクラッシュシートベルト、インテリジェントブレーキアシストがインテリジェントクルーズコントロール(低速追従機能付)とセットオプションで全グレードに用意されている。 1.エクステリア 日産ブランドが宿る日産のセダンは、かくあるべしといったある種のデザイン上の方向性の中で、スカイラインという車単体の個性を如何に織り込むべきか?デザイナーの苦闘が想い浮かぶ。 しかしながら、今回のV36新型スカイラインのフォルムは、旧型V35のどちらかというと抑揚の無いおっとりとしたフォルムに対して、メリハリの効いた動きが感じられる。それは、ボンネットの逆絞りにより両フェンダー近傍に力こぶの様な稜線を形成したり、サイドに明瞭なキャラクターラインを施したことだ。こうした動きのあるプレスラインは、他の日産のセダンとは異なり、V36新型スカイラインの個性の表出として評価したい。 旧型V35スカイラインとディメンションを比較してみると、全長4755mm←4675mm(+80mm)、全幅1770mm←1750mm(+20mm)、全高1450mm〈4WD;1465mm〉←1470mm〈4WD;1485mm〉(-20mm)で、低く長く幅広となった。スカイラインという走りのキャラクターへの回帰!?としては、低く幅広は大いに歓迎だが長くは、個人的には歓迎したくなかったといっておこう。 2.インテリア フーガとレイアウトイメージが重なる部分(ナビなどの操作パネルの下段にアナログ時計を配置など・・時計=アナログといった固定観念も好まない。)があり、スカイライン単体としての差別化が強く感じられないことがやや残念だ。反面、フィニッシャー(インストルメントパネル、センタークラスター、、ドアトリム)を本アルミ化(本木目;オプション)して全グレードに採用、マグネシウム製のパドルシフト(Type SP&S)を奢るなど拘りが感じられる。 この本アルミのフィニッシャーは、シンプルでありながら上質な雰囲気を醸し出し、室内空間を穏やかに包み込むように感じられた。 一点余計なことをいうが、ファインビジョンメーターの数字の内側に光るブルーリングとレッドの指針は、本アルミのフィニッシャーとアンマッチ(恐らく本木目ともアンマッチ)に感じられた。「落ち着いた上質な雰囲気に対しては、配色にも気を使った精緻な印象のメーターが好ましい」とは、街の試乗屋の独り言である。 3.シート 着座感は、体の収まりが良く、しっかりと体をサポートしてくれる感じでType S&Type SP(本革標準装備)共に好印象だ。下からの受け止め方は、体重をうまく分散させてくれるような感じで、長距離走行に期待が持てそうだ。旧型V35のシートに対して、着座感の改善が見られたことを評価しておきたい。 4.変速機(5AT) Dレンジ、DSレンジ、パドル操作の3パターンが選択できる。DSレンジでは、よりスポーティなシフトスケジュールを選択するという。Dレンジにおける通常走行時のフィールだが、変速ショックの消し方が巧みで気に入った。ダイレクト感を持たせながらもショックは最小に抑えている。キックダウン時のレスポンスも素早い。 次にDSレンジで緩々と走行後、8割程度アクセルを開けさせてもらったときのフィールだが、驚いたことにATのすべり感を殆ど感じることなく、変速時の僅かな節度感と共にダイレクト感のある純粋な加速フィールを味わうことが出来た。DSレンジに入れておけば、ブレーキング時にブリッピングを伴い勝手にシフトダウンしてくれるので加減速を繰り返す走行時には有効だ。 パドル操作による変速は、D及びDSレンジの何れでもパドルに触れれば可能である。パドルによるレスポンスは鋭く、シフトチェンジで車を操っているという感覚が味わえ、なかなか楽しい。 一点気になったことだが、DまたはDSレンジ固定で交差点などに侵入後、深めにアクセルを開けると侵入時にハイギヤが選択されている場合には当たり前だが一端シフトダウン後に加速態勢に入ることになり、加速フィールはスムーズさを欠く。ドライバーの意思に沿った気持ちの良い加速フィールを得るためには、事前にパドルシフトでしっかりとギヤを落としておく必要がある。 こうしたマニュアルミッション車では当たり前の行為がATの場合は、ついズボラなドライビングにつながりやすいのだ。やはりへそ曲がりの小生としては、マニュアルミッション車に優るもの無しと余計な口を挟んでおく。 5.アクセルワーク V36新型スカイラインは、フーガで見られたようなアクセルワークに対する過敏な反応は見られず、加速度のタンジェントの作り方が上手である。つまりアクセルワークに忠実な加速感が得られるのである。ゆっくりとしたアクセルワークに対しては、そうしたゆったりとした車の動きが頭で描いたとおりに実現する。ドライバーが加速させたいと思えば、そう思った分量だけ加速してくれるといった具合なのだ。つまり加速度のタンジェントがドライバーの感性系と一致しているのである。このことこそ、車を操っているという楽しさに繋がるのである。 アクセルを深めに踏み込み「ゴー!」と車に指令を与えれば、瞬時に反応し、かつ気持ちの良い加速度のタンジェントを描きながら、猛然と加速していく。 当たり前のようだが、こうしたアクセルワークに忠実な加速感が得られるのは、制御系が人の感性系とリンクしなければ出来ないわけで、ここにもV36新型スカイラインの本気度を見ることが出来る。 6.エンジン音 エンジン音、排気音共に質感が高いと感じさせる。音量は低く抑えられていて、低回転域から高回転域を問わず心地いいサウンドを聞かせてくれる。また決して”この音を聞かせてやる”といった押し付けがましいところもない。全域控えめでありながら、その存在を知らしめるといった感じだ。ブリッピング時の音量音質もまた巧みで、車好きなドライバーのハートを心地よく擽るうまい演出だと思う。 7.ステアフィール 4WAS有無に関わらず、ゆっくりと左右にステアリングを切るとノーズは遊びを感じることなく反応し、なかなか緻密で精緻な印象を受けた。アシスト力は適度でしっとりとした上々のフィールだ。 まずType S 4WAS付車についてだが、街中で速度を30Km/h程度に減速し、普段どおりの感覚でステアリングを切り、右左折すればノーズが思いのほかクイッと入り、4WAS付(この時は後輪操舵を伴わない前輪アクティブステアのフィール)であることがすぐに体感できる。BMW5シリーズで初めて体感した時の印象と似ているかもしれない。車好きな人間にとっては、適度なクイック感が面白いのだが、問題は、BMWがギヤ比を見直したことからも、一般ドライバーに違和感を持たれる可能性があるということだ。 余計なことだが、4WAS付車を購入する際は、車好きなお父さんだけではなくファミリー全員でご試乗されることをお勧めしたい。 4WAS付車での高速度における車線変更は残念ながらトライできなかったのであるが、街中での80Km/h(カタログ上では後輪操舵が動くか?動かないか?微妙な速度??)程度に於ける動きはわずかなステアリング操作量に対して、レスポンスよく車が反応し、久々に街中でのバトルマシン!?が登場した感を強くした。もちろんこの程度の速度域において車線変更を繰り返してもV36スカイラインのボディには何事も起こらない。 さて、4WAS付を試乗した後に4WAS無しの車に乗り、四つ角を曲って見ると4WAS付車の特性がさらに鮮明に分かる。4WAS無しの車は、穏やかに正確に仕事をこなすといった感じである。余計なお世話であるが、やはり一般ドライバー受けするのは、4WAS無しの方かもしれないと言っておく。 8.ブレーキフィール ブレーキペダルの踏力に対する適度なリニア感、つまり踏力に対する制動力の立ち上がりがいい感じでドライバーに返ってくるのだ。 9.コーナリングフィール コーナリングフィールについては、Type SP(4WAS無し)に於けるフィールであることをお断わりしておく。 中速コーナーを法定速度+2αでいささか気合いをいれて!?コーナリングしてみた時のフィールを報告したい。コーナリング中にもアクセルを開けてガンガン速度を上げたくなるそんな攻めのフィールなのである。本来コーナリング時は一定速度で走行することを良しとするわけだが、V36新型スカイラインは、その懐の深さゆえであろう!?コーナリングスピードの未知なる領域へと踏み込んでみたくなるそんな誘惑に駆られる車なのである。 付け加えておくが、高速コーナリング時に少しブレーキングしてみたのだが姿勢の乱れがなく、これにも驚いた。これならば例え少々誤った速度でコーナーへと侵入したとしてもブレーキングにより難なくクリアーできるということだ。一昔前の車では考えられなかったことだ。 10.乗り味 V36新型スカイラインのもう一つの目玉は、この驚きの乗り味だと思う。 まず低速時の凹凸乗り越し時のゴツゴツ感が綺麗に消されてドライバーにまろやかに伝達されるのである。高速度領域に於ける道路の繋ぎ目を越した時のフィールだが地に足が着いた感じで、かつ角が丸められた形でドライバーに心地よくまろやかに伝達されるのである。言葉で表現するのは難しいが、”ねっとり+しっとりまろやか”といったところだ。付け加えれば、”ねっとり+しっとりまろやか”のバックにはしっかり感が伴っているわけで、それが上質な節度感となってドライバーにいい感じでフィードバックされるのである。 こうした上質な乗り味は、街の試乗屋の一感性で恐縮であるが、他の日本車では例がない。 一点余計なことを言っておくが、試乗中に右前輪が突起物?(恐縮だが事物は明確ではない。)を通過した際にショック自体は上述した如くまろやかであったが、ステアリングホイールにガタッと振動が走ったのだ。もちろん試乗中にはこのような現象は、この一点だけであり、たまたま振動周波数の一致をみた特異現象であったのかもしれないが、気になったので一応記述しておく。
以下、レクサスIS 350 VersionSと外観寸法、動力性能面、価格面及び燃費について比較した。(下表参照)
・動力性能面[上表C値(動力性能の一つの指標)]では、数値上レクサスIS350VersionSがリード。オプション装着により装備面での差異を出来る限り縮めた場合(イコールではない)の価格を用いた比較では、リッター当たり価格、馬力当たり価格共にV36スカイラインTypeSPが優位である。(参考迄)尚、装備比較詳細については、”日産V36スカイラインTypeSP VS レクサスIS350 VersionS装備&価格比較”を参照方。 街の試乗屋のコメント(補足) 特筆すべきは、V36新型スカイライン(350GT TypeS&SP)の乗り味だ。それは、低速度領域、高速度領域(高速道路ではないことをお断わりしておく。)の何れにおいても凹凸乗り越し時の衝撃が見事に処理され、ドライバーにはまろやかな節度感のみが伝達されるということがほぼ完璧に出来ていたからだ。 もう一点大切なことは、路面との追従性であるが、凹凸乗り越し時にあたかも上下動が一切排除されているかの如く感じられたことだ。あまり表現は美しくなく恐縮だが、V36新型スカイラインの乗り味を総括すると、路面をねっとりかつしっとりまろやかに舐めていくといったところか。 4WASについてだが、この4WASを装着することによって、V36新型スカイラインの奥深さをさらにさぐるという探究心の度合いが深まるとなれば、車好きとしては、装着せずにはいられないアイテムである。 ここまで走りを極めたV36新型スカイラインには、勝手を言わせていただければ6MTと4WASの組み合わせがとてもよく似合うと思う。是非6MT仕様の設定をご検討いただきたいと申し上げておく。 Equipment&Spec(日産V36スカイライン TypeSP VS レクサスIS350 VersionS装備&性能比較)
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