レクサス RC F試乗インプレッション

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LEXUS

レクサス　RC F VS BMW M4 クーペ装備＆性能比較　　　　　　　　　　　　　　　　

Sep.2015

LEXUS RC F IMPRESSION
（レクサスRC F試乗インプレッション）

今回試乗した車は、レクサスRC Fである。搭載されるエンジンは、ISFと同形式(2UR-GSE)V型8気筒DOHC(排気量4,968cc)をリファインし、最高出力477PS/7,100rpm、最大トルク54.0Kgf.m/4,800rpm～5,600rpmを発生する。ミッションは、ISFと同じくMポジション選択時には最短0.1秒で変速を完了するという2ペダル8速AT；8-Speed SPDS(Sport Direct Shift)を採用、2速～8速全域をロックアップ（メカニカルに直結）させることにより、エンジントルクをダイレクトに伝達。シフトダウン時にエンジン回転数を同期させるブリッピングコントロールを備える。ドライブモードは、ECO,NORMAL,SPORT S,SPORT S+が選択可能。RC FではSPORT S+モード選択時、Dレンジのままでニュルブルクリンクを楽しく走行できるようなシフトスケジュール制御が組込まれているという。車両姿勢をコントロールするVDIM(Vehicle Dynamics Integrated Management)は、ドライバーの走行状況に合わせて制御されるスポーツモード付VDIMを設定(ドライブモードセレクトに連動し、ドライバーの力量に合わせた制御を行う)。オプション装備となるが、FR車世界初（2014年10月トヨタ調べ）の後輪左右の駆動力を電子制御により最適化するTVD(Touque Vectoring Differential)が新設された。ブレーキシステムには、フロント対向6ポッドアルミ製キャリパー（brembo製）・φ380mmスパイラルフィン式ベンチレーテッドディスク（高摩擦ブレーキパッド付）、リヤ対向4ポッドアルミ製キャリパー（brembo製）・φ345mmスパイラルフィン式ベンチレーテッドディスク（高摩擦ブレーキパッド付）が奢られ、ストッピングパワーを強化。タイヤ＆ホイールは、フロント；255/35ZR19 92Y＋鍛造アルミホイール（BBS製・10本スポーク）、リヤ；275/35ZR19 96Y＋鍛造アルミホイール（BBS製・10本スポーク）を標準装着、切削タイプ・ダブル10本スポーク、スパイラル10本スポーク、ポリッシュ仕上げ・スパイラル10本スポークがメーカーオプションで用意されている。ボディカラーは、オプションの”ヒートブルーコントラストレイヤリング＆ラディアントレッドコントラストレイヤリング”を含め7色用意されている。

1.エクステリア
レクサスRC Fであることをしっかりと知らしめる目いっぱい尖がった力強いデザインだ。好むと好まざるとにかかわらず目に飛び込んでくるスピンドルグリル！！背後から迫り、威嚇するには十分過ぎるほどに凄みがある顔立ちである。リアビューの4連エキゾースト＆ディフューザー、アクティブリヤウィング、"RC F"のエンブレム、フロントサイドの"F"のエンブレムがRC Fであることを明確に主張している。尚、エンジンフード、ルーフ、アクティブリヤウィングに特殊カーボンCFRP<Carbon Fiber Reinforced Plastics(炭素繊維強化プラスティック)>を採用した"Crabon Exterior Package"モデル（約10Kg軽量化）も用意されている。

2.インテリア
レクサスであることをそこはかとなく感じさせるイメージの中にRC Fとしての独自性が強く表現されたインテリアだ。ホワイト、ブルー、ブラックの3色またはブルー、ブラック、オレンジの3色が施された"F"を主張するステッチ。RC F専用メーターは、選択するドライブモード（ECO,NORMAL,SPORT S,SPORT S+）に応じて、表示されるスタイルが変化する。センターのアナログクロックは、RCF専用、左右のドアと助手席側インストに配されたオーナメントパネルは、標準装備の”シルバースターリングファイバー”他”カーボン””フォージドコンポジットカーボン”がメーカーオプションで選択可能。インテリアカラーは、標準装備の”ブラック”他”フレアレッド””ホワイト””ブラック＆アクセントオレンジ”がメーカーオプションで用意されている。

3.シート
試乗車のシートにはオプションのセミアニリン本革シート（標準：アルカンターラ/セミアニリン本革）がおごられていた。着座感は、ドライバーをしっかりと包み込んでくれるホールド感の高いフィールだ。

4.変速機〔8-Speed SPDS(Sport Direct Shift)〕
まずDレンジにてNORMALモードで走行したが、変速フィールは穏やかでスムーズだ。また変速したことを伝えてくれるわずかな節度感が心地よい。SPORT SモードはNORMALモードと比べるとシフトタイミングが小気味よく感じられた。さらにSPORT S+モードではSPORT Sモードに対して一段と小気味よいシフトフィールを伝えてくる。パドルでの変速は確かに瞬時に完了し、シフトダウン時にはブリッピング音を聴かせてくれる。しかし、街中においては、目くじらを立ててパドルを操作するよりもDレンジ固定（NORMALモード推奨）で穏やかに走行するほうがストレスフリーで似合っている。

5.アクセルワーク
NORMALモードの場合は、アクセルの踏みこみ量に対して穏やかでなめらかな加速フィールを伝えてくる。確かに街中走行用に適していると感じた。SPORT Sモードはアクセルの踏みこみ量に対するエンジンのツキがNORMALモードに対してやや鋭くなる印象だ。さらにSPORT S+モードではアクセルに僅かに力を込めただけで、解き放たれた矢のごとく鋭く俊敏な加速感を味わうことが出来る。
ちなみにECOモードとSPORT S+モードとの間には天と地ほどのレスポンスの差があり、淑やかなECOモードでの走りはRC Fには似合わない。

6.エンジン音
V8に火を入れた時のサウンドは、ことさらに派手な咆哮を轟かせるということはない。4,000rpm以下では控えめで心地よいV8サウンドを聴かせてくれる。SPORT S+モード選択時にはASC（Active Sound Control）の働きによってエンジン回転数が4,000rpmを超えると唐突にエンジンのビートが高鳴る演出が組み込まれている。この音質は好みの分かれるところと思う。

7.ブレーキフィール
コントロール性が良く安心感が高い。

8.ステアフィール
ステアリングの操舵角に対してきっちりと車がついてきてくれるので車との一体感が味わえ、高揚感に満ちたドライビングが楽しめる。

9．乗り味
かちっとしているのだが、ほとんど不快な突き上げ感を伝えてこない上々の乗り味だ。加減速時に車体がぶれないので車との一体感が味わえる。

10.コーナリングフィール
かなり接地感が高く、高速度で攻めてみたい衝動に駆り立てられる好フィールである。

以下、BMW M4 Coupeと外観寸法、動力性能面、価格面及び燃費について比較した。（下表参照）

車種	外観寸法			動力性能面			価格面		JC08 モード燃費（km/L)
車種	全長	全幅	全高	A 重量/馬力（Kg/PS)	B 重量/トルク（Kg/Kg.m)	C A×B （Kg2/PS・Kg.m）	価格/リッター（￥/L)	価格/馬力（￥/PS)	JC08 モード燃費（km/L)
LEXUS RC F	4705	1850	1390	3.8	33.2	126	2,065,024	21,507	8.2
BMW M4 Coupe	4685	1870	1385	3.8	29.2	111	3,730,745	25,786	12.2

NOTE)

1.表記の燃費値と外観寸法値は、LEXUS RC F；2014/10現在、BMW M4 Coupe；2014/4現在の夫々のメーカーカタログ記載値。
2.燃費値と外観寸法値を除く表記の数値はLEXUS RC F；2014/10現在（カタログ記載値＆プライスリスト）、BMW M4 Coupe；2014/4現在（カタログ記載値またはプライスリスト）のメーカー公表値を用いた計算値

・燃費値は、BMW M4 Coupeが優位である。
・動力性能面〔上表C値（動力性能の一つの指標）における単純比較では数値上BMW M4 Coupeが優勢]、価格面では馬力当たり価格及びリッター当たり価格においてレクサスRC Fが優位である。(参考迄）
（価格面の比較にはレクサスRC F：\10,259,037（消費税抜）、BMW M4 Coupe：\11,113,888（消費税抜）を用いたが、詳細については、”レクサス RC F VS BMW M4クーペ装備＆価格比較”を参照方）

街の試乗屋のコメント（補足）
IS Fよりも格段に硬派な乗り物になった印象だ。そうは言ってもただ単に獰猛な車とは違う。何といっても車体がぶれず無駄な動きをしない車両のツキの良さは感動ものだ。一級の運動神経を持ったアスリートといった感がある。RC Fは、従来のラグジュアリー路線からいい意味で逸脱した+αの刺激的な味を持った車だと言える。

レクサス RC F VS BMW M4クーペ装備＆性能比較

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