私は、街の試乗屋さん

私は、街の試乗屋さんのトップページへ戻る 自動車・試乗レポート・インデックスへ戻る レクサスGS430写真・主要装備&仕様へ Next

カスタム検索

LEXUS
Equipment&Spec
Jan.2006

LEXUS GS430
(レクサスGS430試乗インプレッション)


レクサスブランドの追求する高級の本質とは『ときめきとやすらぎ』であるという。デザイン開発思想には、『L-finesse;Leading-Edge(先鋭)とFinesse(精妙)の2つを合わせた言葉』を掲げる。さらにレクサスDNAとして『完全への飽くなき追求』を謳いあげ、妥協を許さない品質の作りこみを貫徹するとしている。真の高級に求めたものは、「心」といいそれは、茶道に通じるおもてなしの心だという。
こうしたレクサスブランドを確立する為のシナリオからは、西洋文化(Benz&BMW)への対決姿勢を鮮明とした、そこはかとないナショナリズムが感じられるのである。

1.エクステリア
日本国内においては、いわゆるアリストの後継モデルと謳われたGS430であるが、良くも悪くもフ
ォルムの全体像は、アリストのイメージを残している。この必然性は、致し方ないものの日本におけるトヨタブランドのアリストから脱却したレクサスブランドとしてのイメージを確立する上において、違和感を抱かせる。要するに日本におけるレクサスGS430のブランドイメージを確固たるものにするには、もう少し時間が必要といえよう。
さて、レクサスだけの品質基準として、LEXUS MUSTs(カタログには”開発車両をレクサスプロダクトにする社内規定”とある)と呼ぶ極めて厳格な品質基準(感性品質にまで踏み込んだその基準は500項目にもおよぶとのこと)がある。その中の一つに”美しさの際立つ滑らかなボデイを作り出すために、パネルを組み合わせた際にできるボディの隙間や段差など、合わせ目の精度を徹底的に高める取り組み”を実施しているのだという。まったくもって余計なことだが、この取り組みをカタログに明文化しないほうが良かったと思う。なぜならば、奥ゆかしき日本人の心に習えば、「着飾ったから綺麗でしょ」といってしまえば、身も蓋もないからだ。真に美しいものであれば、自ずとその評価は、高まるはずである。

2.インテリア
エクステリアもそうであったが、インテリアについても同様にカタログにことさらに「L-finesse」へと誘導するフレーズが語られている。例えば、『大胆な切り返しを見せるドア内側のS字曲線。エッジを効かせてシャープさを印象付けるインストルメントパネル。インテリアのデザイン一つひとつにも「L-finesse」が息づいています。』とある。「L-finesse」へと露骨に導きたいとする意図が丸見えでは、言わずとも分かる日本の機微を表現した奥ゆかしき車とは言えまい。私の様なへそ曲がりからすれば、「L-finesse」かどうかは、己の感性で判断したいと思うのである。「L-finesse」の意味合いを語るだけで充分ではないか?あとは、時間がその結論を静かに導き出すのではないだろうか。まあ、ドッグイヤーより以上を要求するご時世にあっては、それもままならんであろうことを理解しつつも、性急にブランド浸透を促す意図的な行為には、僭越ながら苦言を呈しておきたい。
もう一点、言わせて頂きたいことがある。それは、”ENGINE START STOPボタン”の造形が何ら一連のトヨタ車のそれと変わらないことである。レクサスブランドを誇示するのであれば、ここはレクサスとしての差別化を図るべきではなかったのか?ボタン一つにもレクサスブランドとしての誇りが感じられるようにして欲しかった。
(このボタンから如何にして「L-finesse」を感じ取ればいいのか?などという憎まれ口をたたきたくなるのである。)

3.シート

シートは、オプションの本革シートであったが、着座した時の硬さは、中庸であり下から支えられている感覚には乏しい。着座感としては、受け止めるべき座面の厚みも感じられず、高級車として一歩抜きん出たシートという印象はなく、ありがたみが湧かない。

4.変速機(6AT)

変速フィーリングは、実に滑らかで、存在すら忘れるほどだ。マニュアルモードにおいても変速ショックは皆無と感じさせるのだが、街中で煩雑に操作しても面白みはなく、Dレンジ走行で悠々と転がす方がGS430にはお似合いだ。(なぜマニュアル操作に面白みがないかは、以下5&6項に関連すると考える。)

5.アクセルワーク

微低速域(10Km/h以下)において、一定速で走行させることをドライバーの極自然な踏力コントロールによってやってのけることが出来る制御系のきめの細かさは、素晴らしい。スタート時にドライバーの意志に反して飛び出すような安っぽさは微塵もない。
アクセルの踏み込み量に呼応して滑らかにリニアに加速していくさまは、高級車らしい振る舞いではあるが、どうもエンジンの存在をどうしたいのかがドライバーに伝わらず、おもしろくない。何か心高まるV8エンジンとしての仕掛けが欲しい気がした。(勝手なことを言うようだが、個人的にはマジェスタの加速時のV8サウンドの方が、控えめな中に仕掛けが感じられるのだが・・・気のせいか?!)

6.エンジン音

上述したことを補足するが、GS430のエンジン音をただ単に静かにするだけではなく、静寂の中にもV8エンジンの存在感をうまく引き出してもらいたい。トヨタブランドとは違った何かを訴えて欲しいと思うのである。レクサスブランドとしての存在感をアピールして欲しいのである。

7.ステアフィール

高級車としてみた場合のフィールは、取り立てて良くはない。やや路面の轍にタイヤが外乱される場面も見られた。(ランフラットタイヤの影響か?不明)高級車のハンドリングとしては今一歩の感がある。ステアリングを回した時の一定の重さ感と精度のよさが手のひらに伝わってくるジャガーXJのようなステアフィールを指標とし、超えて欲しい。(弁護すれば、もちろんジャガーのアシストは油圧であり、EPS(電動パワステ)ではないが。)どうもステアリングを握る悦びが湧き上がってこないのだ。トヨタ的な感覚の系譜を引きずっていると思うのである。

8.ブレーキフィール
もっときめ細かなコントロール領域が欲しい気がした。
立ち上がりがやや急で、かっくんブレーキとまでは言わないが、もう少し踏みしろに対してきめ細かく制動力が立ち上がって欲しい。

9.乗り味
コツコツと確かに硬いと感じさせる。ランフラットタイヤを履いているからだという言い訳が聞こえてきそうだが、V8 4.3Lエンジンのまろやかさを持つ高級車としては、アンマッチといわざるを得ない。GS430には状況に応じて最適にコンピュータ制御する減衰力制御サスペンションAVS(Adaptive Variable Suspension System〉が搭載されているが、試乗した範囲内に限って言えば、この制御の恩恵を感じない。しいて言えば、走行速度が高いほど乗り心地的には改善される傾向にはあった。

10.コーナリングフィール

僅かなS字コーナーを抜けたところにタイトコーナーがあり、そこに突っ込んでみた時のフィールを報告しておきたい。(誤解をまねかないように付け加えておくが、コーナー手前ではもちろんブレーキングし、侵入した。)
妙な表現に聞こえるかもしれないがGS430の動きは、タイトコーナー半ばで一瞬車がつまったような感覚(極端な表現をすると一瞬止まってしまったような感覚)に襲われ、非常に違和感を感じたのである。このことを同乗していた営業マンにぶつけたところ”アクティブスタビライザーサスペンションが働いたからでしょう”という返答だった。この不自然な動きは、電子制御システムの功罪なのか?、いずれにせよこういった不自然な挙動については、改善すべきと感じた。




レクサスブランドに対するマーケットの反応(下表参照)
LEXUS販売台数推移(台数)
8月 9月 10月 11月 12月 累計
156 1407 2985 3541 2204 10293
参考;自販連(ブランド別新車販売台数確報)
12月にやや落ち込んだものの今後の展開として、06年春にはハイブリッドシステムを搭載したGS450h、06年内にはフラッグシップLSが投入される予定であり、06年の販売台数の推移に注目したい。
a
BMW545iとの主たる装備比較(下表参照)
注)標準装備品については、その車種名のパターン色と同色とした。
車種 BMW545i GS430
車両本体価格
(消費税抜き)
\8,800,000 \6,000,000
走行性能 ○標準装備
ダイナミックドライブ
(アクティブシャシーコントロール)
オプション;\300,000(消費税抜き)
アクティブスタビライザーサスペンション
○標準装備
245/40R18ランフラットタイヤ
オプション;\20,000(消費税抜き)
245/40ZR18ランフラットタイヤ
操作性 ○標準装備
i Driveコントローラー
○標準装備
スマートエントリー&スタートシステム
視界 ○標準装備
電動ガラスサンルーフ
オプション;\190,000(消費税抜き)
ムーンルーフ(チルト&スライド式)
○標準装備
ヘッドライトウォッシャー
○標準装備
PDC(パークディスタンスコントロール)
オプション;\50,000(消費税抜き)
クリアランスソナー(ステアリング感応式)
メモリー機能付電動格納式レインクリアリング
ドアミラー
(本革シート&トリムオプション選択時)
安全性能 ○標準装備
後席サイドエアバック
オプション;\20,000(消費税抜き)
後席サイドエアバック
○標準装備
運転席・助手席ニーエアバック
オプション;\60,000(消費税抜き)
アダプティブ・ヘッドライト
○標準装備
インテリジェントAFS
(Adaptive Front-Lighting System)
○標準装備
ヒルスタートアシストコントロール
シート ○標準装備
ダコタレザーインテリア(シート/ドア内張り)
ポジションメモリ&ヒーター付
オプション;\260,000(消費税抜き)
本革シート&トリム
(ポジションメモリー・ベンチレーション機能
・ヒーター付)
オプション;\160,000(消費税抜き)
フロントベンチレーション付
ナビゲーション&
オーディオ
○標準装備
8.8インチワイド・コントロール・ディスプレイ
○標準装備
7インチ高精細ディスプレイ
○標準装備
サウンドライブラリに2000曲の録音が可能
○標準装備
テレマティクスサービス)
G-Link(3年間無料)
○標準装備
バックガイドモニター
○標準装備
HiFiシステム・プロフェッショナル・
ロジック7(7バンドイコライザー、420W、
スピーカー13個)
<AM,FM,MD,CD,TV>
オプション;\325,000(消費税抜き)
マークレビンソン・プレミアムサラウンド
サウンドシステム(330W、
スピーカー14個)
<AM,FM,MD,5.1ch対応DVDチェンジャー,TV>

○標準装備
CDオートチェンジャー(6連奏)
上記オプション価格
合計額(消費税抜き)
\220,000 \1,160,000
上記オプション価格
合計額+車両本体価格
(消費税抜き)
\9,020,000 \7,160,000
車種 BMW545i GS430
Note) 1.上記装備内容は、BMW545i;カタログNo.5 11 005 092 70(L) 2005VZ&オプションプライスリスト(05.6.20現在)、GS430;05/7時点におけるメーカーカタログ記載内容に基づく。
2.上表作成に当たっては、両車共に標準車をベースとしてまず比較し、お互いの装備の不足分をオプション装備で補うかたちとした。

1.GS430の装備類をBMW545iと同等以上とするには、オプション装備価格(消費税抜き)で\1,160,000を用意しなければならないが、BMW545iに補足する分のオプション装備を加えた車両価格は、\9,020,000であり、GS430の\7,160,000に対して\1,860,000もの開きがあり、価格の絶対値に限って言えばGS430が明らかに優位である。

2.GS430の装備内容をみると、スマートエントリー&スタートシステム(標準装備)、運転席・助手席ニーエアバック(標準装備)、ヒルスタートアシストコントロール(標準装備)、メモリー機能付電動格納式レインクリアリングドアミラー(オプション)、HDDのサウンドライブラリに2000曲の録音が可能(標準装備)、G-Link(標準装備)、バックガイドモニター(標準装備)などについては、BMW545i(装備内容の範囲は上記Note1.による)よりも充実している。

3.BMW545iでは、iDrive(標準装備)、GS430の7インチに対して8.8インチワイド・コントロール・ディスプレイ(標準装備)、6連奏CDオートチェンジャー(標準装備)などの装備については、BMW545iの方に優位性がある。

以下、BMW545iと外観寸法、動力性能面、価格面及び燃費について比較した。(下表参照)

車種 外観寸法 動力性能面 価格面 燃費
(km/L)
全長 全幅 全高 A
重量/馬力
(Kg/PS)
B
重量/トルク
(Kg/Kg.m)
C
A×B
(Kg2/PS・Kg.m)
価格/リッター
(¥/L)
価格/馬力
(¥/PS)
LEXUS GS430 4830 1820 1425 6.1 38.8 237 1,668,220 25,571 9.1
BMW 545i 4855 1845 1470 5.4 39.0 211 2,050,932 27,087 7.6
NOTE)

1.表記の燃費値はLEXUS GS430;05/7時点、BMW545i;05/4時点のメーカー公表値
2.燃費値を除く表記の数値はLEXUS GS430;05/7時点、BMW545i;05/6/20時点(価格)及び05/4のメーカー公表値を用いた計算値
3.価格面の計算に用いた車両価格は、装備を睨んだ上でオプション価格を夫々足しこんだ価格とした。
LEXUS GS430;\7,160,000(消費税抜き)、BMW545i;\9,020,000(消費税抜き)>(上表参照

・動力性能面[上表C値(動力性能の一つの指標)]では、BMW545iが優勢。価格面、燃費においては、GS430が優位である。(参考迄)

街の試乗屋のコメント(補足)
現段階においてGS430の魅力は?と聞かれれば、「恐れながら、そこはかとないナショナリズムでございましょうか」と答えるだろう。今後登場してくるGS450h、旗艦車種LSではレクサスブランドならではの味(ステアフィール、シートへの着座感、加速フィール(仕掛け?!)、ブレーキフィール、コーナリングフィール、乗り味などなどレクサス故に味わえるフィールが欲しいのだ。どこかに転がっているフィールでは駄目で、これがレクサスブランドだというものが欲しい。ブランドイメージ先行だけでは面白くない。)を見せて欲しい。


Equipment&Spec
カスタム検索




                                       
 このページの先頭に戻る
Copyright(C)2006私は、街の試乗屋さんAll rights reserved