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Toppage/comparison index June.2004
フェアレディーZ VS BMW Z4

私は、街の試乗屋さん
Comparison
"優位性のある項目は、その車種名のパターン色と同色とした。"  
*総合評価先頭へ
エクステリア/インテリア/広さ/安全装備/環境/プライス/乗車定員/シート/変速機/アクセル/エンジン/
ブレーキ/ステアフィール/乗り味/動力性能/運動性能/ブランド力/新技術
No. 評価項目 車名
NISSAN FAIRLADY Z
ROADSTER(3.5L)
VersionT
BMW Z4 3.0i
(3.0L)
1. エクステリア

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コメント
スポーツカーを所有するものにとって重要な一つのファクターは、誰にも似ていないことだ。キャラクターが濃い方がいいに決まっている。この点において、FAIRLADY Z ROADSTERのエクステリアは、世界唯一のものであることを十二分に主張していると言える。 クリス・バングルが放った新型BMW Z4のエクステリアは、実に個性的で人を惹きつける魅力に溢れている。独特の彫刻的ラインから生み出されたサイドビュー&リヤビューは、いつまで眺めていても飽きがこないほどだ。
判定
(Z4の革新性の前には脱帽)
2. インテリア

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コメント
メーカーオプションの通気性に配慮したネットシートが形状も個性的でおもしろい。又、サンセットオレンジのボディーカラーとオレンジのシートがブラック基調のインテリアをおしゃれに演出している。ブラックの標準シートも選択できるが、個人的にはネットシート(オレンジのみ、ブラック設定なし)がいい。
中央の3連メータ下の扉が電動開閉式となったのだが、耳障りな作動音は全くなく、動きがすこぶる滑らかだ。電動式にしたことにより高級感を出すことに成功したといえる。アルミペダルは標準装備だ。
エクステリアのインパクトが強いだけにインテリアのシンプルさには何か物足りない印象を抱いてしまう。着座位置は低く、3.0iに標準装備のレザーシートの着座感も良好だ。何か文句あるの?とZ4が私に訴えてくる。Z4は、どんな場面に出くわしたとしても冷静さを保って見せるといいたげだ。
そのためには、クールな大人を演出する必要があったのかも知れない。個人的には、シンプルで刺激がないと感じるが、このことがZ4の決定的なネガティブ要素にはなり得ないのである。これがBMWブランドの強みだ。
判定
(電動開閉式扉の出来もいい)

(やや迷うが個人的見解優先)
3. 広さ

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a室内長,b全幅,c全高 1000/1475/1125 カタログ記載なし
a×b×c (m3) 1.66(参考)
判定(広さは、スポーツカーの資質を決める判断材料ではない。)
4. 安全装備

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エアーバック装着状況 ・運転席&助手席SRSエアバック:標準装備
・運転席&助手席SRSサイドエアーバック:オプション
・運転席&助手席エアバック(助手席は、モニター機能付):標準装備
・運転席&助手席サイドエアーバック:標準装備
判定
シートベルト等への配慮 ・ロードリミッター付プリテンショナーシートベルト:標準装備
・テンションリデューサーELR付3点シートベルト:標準装備
・ベルトキャッチテンショナーが組み込まれたシートベルト:標準装備
判定
(フォースリミッター&テンションリデューサーELR;カタログ明記無)
DSC(緊急時姿勢制御)等 VDC(オプション)
VDC:ビークル・ダイナミクス・コントロール
(DSC)標準装備
DSC:ダイナミック・スタビリティー・コントロール
判定
ABS+EBD等 標準装備 (ABS+CBC)標準装備
CBC:コーナリング・ブレーキ・コントロール
判定
ブレーキアシスト 標準装備 DBC(カタログ記載無)
DBC:ダイナミック・ブレーキ・コントロール
判定
レーンキープ、衝突時ブレーキ補助装置等 なし なし
判定
その他 ・キセノンヘッドランプ
(ロービーム):標準装備
バイキセノンヘッドライト(ロービーム):標準装備
・フロントフォッグライト:標準装備
・PDC/パークディスタンスコントロール(リヤ、音響式):標準装備
・ロールオーバー・セーフティ・システム:標準装備
・ランフラット・タイヤ
判定 ー(ロールオーバー・セーフティ・システム、フロントフォッグランプ、PDC、ランフラット・タイヤなし) ○×3
(セーフティー面での差異を評価した。)
5. 環境

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排気ガス規制値は? 超ー低排出ガス(平成12年度) 規制値レベル不明
判定
燃費は?(10.15モード) 8.6 10.6
判定(ウェート付け:×2) ○×2
6. プライス

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リッター当たり価格(K\) 1115 1846
判定(ウェート付け:×3) ○×3
馬力当たり価格(\) 13,929 23,810
判定(ウェート付け:×3) ○×3 -
7. 乗車定員

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何名 2 2
判定 - -
8. シート

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着座感 着座感良好!真面目に作りこまれていることが伝わってくる。 適度な硬さで着座感良好!
(BMWの共通したコンセプトを感じる。)
サイドサポート感 コーナリング時のサポート性良好 コーナリング時のサポート性良好
判定
9. 変速機

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AT トルコン コメント Dレンジ加速時の変速ショック&
キックダウン時のショックはかなり押さえ込まれており5M-ATxの日進月歩の取り組みを窺い知ることが出来る仕上がりだ。又、マニュアルモードにおけるAT特有の滑りは感じさせず変速応答性も良い。
(発売当初のV35SKYLINEの5M-ATxに比べて確実に進化していると感じたが・・・。)
DDC(ドライビング・ダイナミック・コントロール)を押さない通常モードではスタート時にアクセルを踏み込んでもトルコンが滑って前に出ない印象が強い。このフィーリングは個人的には好まない。DDCをONにすれば解消する話なのだがやや気になる。もう一点DDC・ON時、低速からアクセルに比較的大きな開度を与えたときにギクシャク感を伴うことがあった。鋭いレスポンスをそのままにプログラムの更なる進化を望む。
判定
(プログラムの深化を望む。)
ロボットMT コメント - -
判定 - -
MT コメント - -
判定 - -
10. アクセル

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アクセルワークに対するレスポンス アクセル開度に対する加速感はごく自然で感性に忠実と言える。
これは、5M-ATxの完成度が上がったこととエンジンを含めた制御系との総合バランスが優れていることの現れだろう。
DDC・OFF時では穏やかなレスポンスでスポーツドライビングには明らかに物足りなさを感じたが、ON時ではあたかも猛獣が目覚めるが如くに鋭いレスポンスを示し、アクセルとエンジンが直結したかのようだ。
判定
(トルクフルな世界もいいが、スポーツカーとしてのZ4の鋭いレスポンスに軍配をあげた。)

(DDC・ON時の鋭いレスポンスを評価)
11. エンジン

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吹け上がりのフィーリング 重厚感を伴い存在感がある。
重厚感を伴いつつスムーズに吹け上がる印象だ。
排気音、振動等 エンジンの重厚感を伴う排気音は、ドライバーを刺激する。 排気音は、Z4としてチューニングしたと聞いているが、個人的には「バゥーボゥ・・バゥーボゥ」という音質は好まない。
判定 △(私的感性で評価)
12. ブレーキ

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ブレーキフィーリング 一定のペダル踏しろに対して制動力が常に安定して発揮されているという印象。ノーズダイブは感じられず、姿勢は安定している。 ペダルの踏力をことさら意識しなくても適切な制動力が得られる。
非常に剛性感もありコントローラブルな印象だ。ノーズダイブは感じられず、姿勢は安定している。
(BMW共通のコンセプトを感じる)
判定
13. ステアフィール

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ステアフィール 発売当初クーペVersion S6速マニュアルに試乗してガッカリしたことを思い出していた。それは、低速度域でのステアリングレスポンスがことのほか鈍かったのだ。そして最近乗ったクーペVersion S(中央の3連メータ下の扉が電動開閉式となる前のモデル)も同様だった。但し、80Km/h以上でのステアリングレスポンスは悪くないという印象だった。今回試乗したROADSTER Version Tでは低速時のステアリングの応答性は明らかに向上していた。これは、中央の3連メータ下の扉を電動開閉式としたモデルから乗り心地を改善(突き上げ感の緩和)したこととROADSTERによる車両重量増とは恐らく無縁ではないように思える。 Z4は、BMW初の電動アシストによるパワーステアリングだ。
DDC・OFF時では軽すぎて路面からの情報が手の平に伝達されず、BMWらしからぬステアフィールに戸惑った。DDC・ON時では適度にステアリングが重くなるが
路面からの情報がステアリングを通して的確に手の平に伝わる感覚は、もう一歩でBMWらしからぬフィーリングだ。
高速でDDC・ON&OFFを試みたが高速コーナリング時でのステアリングへの手ごたえが欲しいならばDDC・ONを選択すべきだ。
DDC・OFFでは頼りない。
BMWのEPSなのだからもっと他車との差別化(感性面での差異)が欲しい。
判定
(EPSの深化を望む)
14. 乗り味

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乗り心地全般 発売当初のクーペVersionSの乗り心地は単に硬く凹凸のいなし等は、考慮されていなかった。
今回試乗したROADSTERは、
凹凸のいなし方がうまく、いやな突き上げ感を伴わない角が取れた乗り味を提供していた。(サスは硬いまま凹凸はうまくいなす)車両重量がクーペに比べて110Kg重くなっていることもありいい意味で重厚感溢れる乗り味が楽しめる。軽快感を欲する方は、選択しないほうがいい。これは好みの分かれるところだ。
通常のBMW車であれば路面からの情報がステアリングを通して的確に手の平に伝達されていたのだが、Z4では路面との対話感に乏しい。これは、電動パワステの影響か?
DDC・ONによってEPSの手ごたえを増すことは出来るが、路面との対話はまだ十分とは言えない。とはいってもDDC・ON時では鋭いエンジンレスポンスによってスポーツ走行を楽しむことも可能ではある。
乗りごこちは、通常のBMWのしっとりとした粘っこい感じではなく、
路面への追随性がやや希薄だ。
高速走行時に段差を乗り越したときの突き上げ感も大きい。
サスペンションが硬いからと言ってしまえばそれまでだが、もう一歩煮詰めが欲しい。BMWなのだから。
判定
(深化への努力に○)

(更なる深化を望む。)
15. *動力性能

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a.馬力当たり重量(Kg/PS) 5.54 6.06
b.トルク当たり重量(Kg/Kg.m) 41.89 45.75
a×b(Kg2/PS.Kg.m) 232 277
判定
16. *運動性能

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ホイールベース/全長 0.61 0.61
判定
トレッド/ホイールベース 0.58 0.61
判定
車軸センター〜ルーフ迄/トレッド 0.64 0.63
判定
17. ブランド力

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コメント 日産のブランドは、車名に宿る。
ダットサン・サニー、ダットサン・ブルーバード、プリンス・スカイラインセドリック&グロリア、シーマ、マーチ、プレジデントそしてダットサン・フェアレディー&フェアレディーZ。これらの車達は、夫々の時代の中で戦士として日産ブランドを支えてきたのだ。経営悪化によって消滅の危機にあったフェアレディー。日産ブランドの重要なキーの一つであるフェアレディーZという車名の復活は、文字通り日産ブランドの復活を大いに象徴していると言える。
フロントフェイスにはキドニーグリル、ボンネットの先端には航空機のプロペラを表現したマーク、もはや車好きならずとも世界中に知れ渡っている。シルキー6と謳われる直列6気筒エンジン、革新的な技術、スポーティーなドライブフィールをもつ高級スポーティーセダン3,5,7シリーズの認知度の高さは揺ぎ無い。

判定
(フェアレディーZという車名ブランド復活を評価)
18. 新技術

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どのような新技術?
(標準装備の主たる新技術のみを抽出)
@電動ソフトトップ
(世界初のワンレバー3ロック式)
オープン時には頭上のセーフティスイッチを押し、レバーを前方へ起こしてフロントロックを解除。ブレーキを踏みながら自動開閉スイッチを押し続けると20秒前後で完了。
A3連メータ下部の扉の開閉を電動化
発売当初手動で不評だったのを受けて電動化。
@DDC(ドライビング・ダイナミック・コントロール)
このスイッチを押すとエンジン・レスポンス、トランスミッション、パワー・ステアリングがスポーツモードに切り替わる。
AEPS(電動パワーステアリング)
BMW初の電動化、上述のDDCスイッチON、OFFによってステアリングの操作感(軽い、重い)が変化する。
Bランフラット・タイヤ
パンクした場合でも80Km/hまでのスピードで約150Km走り続けることが出来る。
Cフルオートマチック・ソフトトップ
スイッチ一つで、オープンも、クローズも約10秒で完了。
判定
総合評価

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判定合計(○の合計) 20 17
コメント NISSAN FAIRLADY Z
ROADSTER(3.5L)
VersionT
BMW Z4 3.0i
(3.0L)
1962年の初代FAIRLADY(SP310)は、1500ccのオープンモデルであった。1969年にZを冠するFAIRLADY Z(S30)はクローズドボディーとなりその後オープンモデルが姿を現すことはなかった。もはや諦めるしかなかったオープンボディーのFAIRLADYは、 FAIRLADY Z ROADSTERとして蘇ったのである。日産ブランドの象徴的存在であったフェアレディーZの復活、そして今回初代フェアレディーを思い起させるオープンモデルの復活は、日産ブランドへの熱い想いを呼び起こす意味で意義深い。
さて走りの面は、低速時のステアリングレスポンス及び凹凸のいなし方がいい感じに改善されたので重量級ではあるが楽しめる車になった。ここを高く評価したい。
又、動力性能の一つの目安としての馬力当たり重量×トルク当たり重量の数値は、232でLANCER EVO Z GTA(AT):230(02/1:カタログ値より算出)に比肩し、根性と腕があれば公道におけるバトルではZ4を抑えることも可能だ。
安全面で一点気になるのは、万一横転した場合、Z4の様なロールオーバーバーセーフティーシステムがカタログに記載されていないことだ。
Z4の最大の魅力は、エクステリアに尽きると思う。Z8にもZ3にも似ていない。全く異なる存在として登場したことに大いなる拍手を送りたい。補足すれば、1955年に登場した優雅で限りなく美しく魅力溢れるオープンスポーツカーBMW507は、2000年5月に日本に投入されたZ8へとそのデザイン哲学は受け継がれた。だが、Z4は、敢えて違った道を選択した。つまり独自のデザイン哲学によるBMWのオープンスポーツとしての革新性を生み出したと言ってよい。これは、いい意味でのBMWヒストリーへの挑戦でもある。
さて、魅力的なフォルムを身に纏ったZ4ではあるが、走行フィーリングの面ではBMWらしからぬ面がある。その要因の一つがBMW初のEPS(電動パワーステアリング)である。DDC・OFFでは軽すぎるのでONで適度な重さになるが、ONであっても通常のBMW独特の路面からの情報がステアリングを通して的確に入ってくる感覚が希薄なのだ。もう一点は、高速走行時にやや大きな段差を乗り越したときにストローク不足か?車が跳ねた。硬いのは分かるが、ここは、BMW車として抑えて欲しいところだ。
総合判定ではZに譲る結果となったが、プライス面での評価項目を除くとZ ROADSTER:14に対してZ4:17となりZ4はやはり魅力的存在である。
総合判定
(プライス、動力性能、ステアフィール改善、AT改善など)

(プライス、ステアフィール等)
         *カタログ値を用いた計算値





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