V35スカイラインは、すべてを一新して今までのスカイラインとは進むべき道を異にした。
発表以来、新型スカイラインはスカイラインをこよなく愛してきたユーザーから異質のものと受け取られ、『あれはスカイラインではない』、『異質のものであるのだからネーミングを変えてなぜ出してくれなかったのだ』との厳しい評価でスタートした。
日産は、この様な見解が巷から出てくることを想定していたに違いない。がしかし、日産は、あえてスカイラインという車名を残し、あのスカイラインでさえ大きな変革を遂げるべき時が来たのだと言うことをアピールすることで新生日産の姿をはっきりと示したかったのではないかと私は、想像する。
さて、エクステリアであるが、R34ユーザ−さんからお叱りを受けるかもしれないが、あえてディメンション比較をさせていただいた。
全長×全幅×全高は、R34が4580mm×1725mm×1340mm、V35が4675mm×1750mm×1470mm。
ちなみにホイールベースは、R34が2665mm、V35が2850mm。
全長、全幅、全高&ホイールベースで各々+95mm,+25mm,+130mm,+185mm拡大された。
このディメンションの中で特に顕著な差は、全高とホイールベースである。
全高が130mm高くなったがロングホイールベース化と相まって、全高が高いという印象は無く、サイドビューは均整がとれた機能美あふれるスタイリングとなっている。
そして、ヘッドランプ廻りとリアのテールランプの造形からデザイナーの発想が比較的無理なく取り入れられたのではないかという印象を受ける。
全体のプロポーションは、奢り高ぶったものではなく、控えめではあるが主張が感じられ、好感が持てる。
これもデザイン強化の旗振りをしたゴーンさんの影響が功を奏した結果といえるのではないか。
次に運転席廻りは、これは好みの問題になると言えるが、シンプルで温かみを感じないので私は、何か物足りなさを感じてしまう。着座したときにワクワクするような期待感を与えて欲しいというのは贅沢な悩みだろうか?
このページの先頭に戻る
ROAD IMPRESSION
初めに250GTに試乗した。
走り初めてちょっとがっかりしたのは、ATの繋がりがもう少しスムーズであって欲しいと思ったことだ。
4速だからか?アクセル開度に対しての加速感は、もう少しリニアであって欲しい。
ステアリングの応答性は、決してクイックではなく、あくまでも穏やかであり、車が路面を捕らえていますよというインフォメーションは、個人的にはもう少し欲しいところだ。
そしてV35の売りである『フラット・ライド』であるが、新発想であるだけに旧態依然としたゴツゴツと車体を突き上げる乗り味を好む方には全く理解しがたいだろう。
確かに乗り心地は悪くないのだが、路面からのインフォメーションが不足していると感じさせる。
私は、この感覚は、良し悪しであると忠告したい。
何事もなく遠距離ドライブを楽しんでいただけますと言いたいのでしょうが、同乗者は良しとしてもドライバーは手ごたえがなく、ドライバーズカーとはいえないと思う。
人の感覚は、なかなか鋭いものがあるので、無機質になってはいけないと思う。
断っておくが、コーナリング性能、加速性能は、○、問題は、感性である。
スカイライン=ファンな車であって欲しいと願うのは私だけではないと思う。
300GTは、どうだろう。
私が、300GTに期待したものは、スムーズで重厚な走りが実現出来ているかだ。
3.0Lクラスに期待するものは、アクセル開度に応じてあくまでも引っかかりが無くスムーズにリニアに加速していく車であって欲しい。
当然ながら300GTの走りは、動力性能で250GTを上回っている分、余裕を感じるが、私の贅沢?な期待感に応えてくれるものではなかった。
この車のエンジン制御には、世界初eVTC(電子制御式連続可変バルブタイミングコントロール)が採用され、低回転時のトルク&レスポンス向上を達成したという。
又、マニュアルモード付フルレンジ電子制御5速オートマチック(5M-ATx)も新規開発された。
しかし、加速してゆく過程にドラマが無いのである。
ドラマとは何か?
それは、『人の感性を刺激する気持ち良さ』であろう。
このドラマを持った国産車には、そうそう簡単にお目にかかるというものではないが、昨今は国産車にもボチボチ出てきたと思う。これは、あくまで私の感性で申し上げることになるが、セルシオはその代表であろう。
街の試乗屋如きがなにを生意気なと思っていただいて結構だが、V35 SKYLINEの走行感覚をもう少し確かな手ごたえのあるものにして欲しいと思う。
|