外観のデザインだが、世間の声は、「洗練された」との評価を耳にすることが多いのだが,一般の
日本人としては、なかなかどうしてまだまだあくの強いデザインには違いない。
特にフロントマスクは毒蛇の看板が妙に強調され、好き嫌いの分かれるところである。
私がこの様に素直に表現していることに対して、アルファファンとしては、何を余計なことをと、さぞお怒りのことと推察する。しかし、アルファだからと言うことで何でもカッコイイと表現する必要は無いと思う。少し日本人として、冷静にスタイリングを客観的に判断してみるというのも一考かと思い、あえてこの様な問題提起をしたのである。かく言う私もアルファだからを優先してしまい冷静さを失ってしまう人間のひとりである。アルファだからイタ車だからこのデザインでいいんだと言う具合なのである。ゴッホの絵、ピカソの絵は、素晴らしく批判する人はいないのである。
インテリアに話を移しましょう。
インテリアはエクステリアと異なり、批評は、楽である。迷うことなくスポーティーでカッコイイと言える。ステアリングの奥には、右にタコメータ、左にスピードメーターが並ぶ。いずれの指針も真下を向いており、熱い走りを予感させる演出である。コンソールの中央上部には、左からフューエルメータ、センターに時計、そして、右側には水温計が配置してある。いずれの指針、文字盤ともオレンジで、これも心を熱くするアイテムだ。
ROAD IMPRESSION
さて、この車の走りであるが、まずクラッチは、重くないし、繋がりもスムーズで何ら神経を使わなくとも良いので、たとえ渋滞路にはまったとしても恐らく疲れないと想像する。
走り出して、まず感心するのは、エンジンである。限りなくスムーズに回転が上昇していく様は、実に気持ちが良く、アルファの走りに頭の中がいっぱいになるのである。そして、忘れてならないのは、心をくすぐる独特のアルファサウンドだ。このエンジンの回転上昇&このアルファサウンドが完全に同期した形で、加速していく気分は、限りなく官能的である。
アルファ万歳と叫びたくなる。シフトのストロークは長めであるが、官能度にはなぜか影響を与えることではない。それほど官能的度合いが強いと言える。日本仕様は、若干足を固めていると聞いているが、乗り心地はスポーティーセダンに相応しいもので、ゆっくりと町を流していても気持ちがよい。
室内へ入ってくるエンジン音は低く抑えられており、このへんは、155V6とは異なりずいぶん高級になったという感じである。エンジン音が低く抑えられていると言ったが、誤解しないでほしい。いざエンジンに鞭をいれると室内へ入ってくる音は心地よい独特のアルファサウンドとなってドライバーを官能の世界へと誘うのである。さて、ハンドリングだが、FF車を忘れるほどクイックなものでステアリングの角速度を速めると容易にオーバステアの挙動を示すのである。しかしながら、適切な舵角を与えられたアルファのコーナリング姿勢は見事である。芸術的でもある。コーナに進入し、軽いロールがアルファに与えられる。不思議なことにこのロール角はアクセルを開けていっても何ら変わることはなく、ドライバーは、この熱い走りの虜になるのである。これは、日本車にはない感動の世界である。アルファは、今日はこのいつものコーナーをどの位の舵角で進入しようかと、ドライバーにドライビングの楽しさを自然に引き出してくれる摩訶不思議な車なのである。
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