エクステリア,インテリアについては、SELESPEED固有のステアリングに設けられたシフト用プッシュボタン及びセンターコンソールに設置したジョイスティックを除けば156 V6と共通するので、156 V6のIMPRESSI0Nを参照いただきたい。
ここでは、アルファが言うSELESPEEDという特徴的なミッションに着目して、その操作説明とROAD
IMPRESSIONについて話をしたい。
SELESPEED
・イタリアのマニェーティ・マレッリ社との共同開発によるF1テクノロジーを採用した『先進のスポーティー・5速シーケンシャルトランスミッション』である。
・ギヤチェンジは、ステアリングホイール上部のプッシュボタンもしくは、センターコンソール
内に設置したジョイスティックで行う。
・SELESPEEDの操作について
イグニッションをONし、エンジンを始動させるとタコメータ内の右側にあるシフトインジケー タにはニュートラルを意味する『N』の文字が表示される。
次にジョイスティックを軽く前方にプッシュするとシフトインジケータには『1』が表示される。これでスタートする為の儀式は完了し、後はアクセルを開けるだけである。
但し、ここでちょっと注意しなければならないことがある。通常のオートマチック車をイメージしてしまうとクリープがないので、一瞬戸惑う。クリープがないのでブレーキを緩めても車は動き出さない。坂道発進の際は、サイド
ブレーキが必要になることを頭に入れておく必要がある。
さて、アクセルを踏んで車を発進させ、シフトアップする場合、ステアリング上部の右側にあるボタン(+)をプッシュするかもしくは、ジョイスティックを前方へプッシュするかの何れかの方法でシフトアップが可能である。
もしシフトアップを忘れていても7000rpmで自動的に次のギヤヘシフトアップされる。
次にシフトダウンであるが、ステアリング上部の左側にあるボタン(−)をプッシュするか、もしくは、ジョイスティックを引くかの何れかの方法でシフトダウンが可能である。
シフトダウンは、あくまでもドライバの意志に委ねられている。
これらの手動操作だけではなく、このシステムにはシフトチェンジを煩雑に繰り返す市街地走行に対して特別にプログラムされたオートマチック・モード『CITY』モードが組み込まれている。
『CITY』モードへの切り替えは、ジョイスティック脇にある『CITY』と表示されたボタンを押すだけである。
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ROAD IMPRESSION
このSELESPEEDは、掛け値なしに面白い。
とにかくシフトアップ、シフトダウンを試みるたびに新鮮な感動があり、車を走らせているという喜びに満たされるのである。
特にシフトダウンは、全くショックを感じることなく、ドライバーの意志を完璧な迄に体現出来る。
例えそれが、2速から1速であっても全く変わることは無い。ドライバーは、シフトダウンの信号を与えるだけで、そのときのシフトポジションにマッチしたエンジン回転数を手に入れることが出来る。
という訳で、ついつい信号で停止するたびにこんなことは、全く必要のない行為とわかっていてもアルファサウンドと絶妙なシフトダウンの快感を手に入れたいが為に3速→2速→1速へとシフトダウンを繰り返したくなるのである。
さて、シフトアップ時であるが、シフトアップ時には一瞬アクセルを戻してやる工夫をしないと車速がつまった感じがするのでこれは、覚えておいたほうが良い。この事象をシフトダウンと比べてもっとプログラミングをきちっとやるべきとの批評も見受けるが、私は、むしろ現状のままで良いと思う。
なぜならば、すべてが完璧ではドライバーが工夫するところが何もなくなるからだ。
SELESPEEDの癖を理解したうえで、それをどのようにすれば気持ちよく繋げていけるか?という課題がドライバーに残されていることは、逆に言うとそれを克服することが、オーナの誇りになるのではないかと私は、思う。
『SELESPEEDの癖をも完璧に理解している』と言う具合に・・・・・。
総括すればAlfa156 SELESPEEDは、SEDANというカテゴリーにおいて、他に類をみない独自の世界を構築したといってよい。
最後になるが、よくカー雑誌でAlfa156とBMW320i等を比較した記事を見かけるが、ナンセンスであると私は思う。なぜならば、お互いに棲む世界が異なるカテゴリーのものだからである。
これは、お互いの個性を尊重すればよい話であって、もし是非を論議しているとすれば意味はないとあえていっておきたい。
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